前編 後編

442:恋人は名無しさん2008/03/26(水) 12:43:42 ID:DCddfn6p0
ようやく書けた。投下

俺男:都内大学生(18)
山田菜美:都内大学生(18)
吉村和夫:フリーター(27) 


大学に入ってしばらくした頃、 
今までバイトってものをやったことがなかった俺は 
人生経験のためにバイトを始めた。 

そのバイト先の先輩に吉村という男がいた。 
小太りで、服や髪は秋葉系の人だった。 
無口で冗談などはほとんど言わず 
自分の興味のあることだけを延々と話すような人で 
かなりとっつきにくい人だった。 

俺とシフトが重なったとき、吉村はよく俺に彼女の話をしてた。 

「もうすぐ俺、結婚するんだよ 
彼女、ストレートの黒髪で、すごくかわいい子なんだ」 

吉村はそんな話を延々と続けてた。 
一応バイトの先輩だし、他にこの人と盛り上がれそうな話題もなかったので 
俺はいつも聞き役に徹し、適当に相槌打ったりして時間が過ぎるのを待った。





443: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:44:13 ID:DCddfn6p0
ある日、バイト先近くのファミレスで友達と待ち合わせをした。 
ファミレスに入って店内を見渡してみたけど、まだ友達は来てなかった。 
しかし、ファミレスの一番奥の席には意外な人物がいた。 
吉村だ。 
こちらからでは後姿しか見えないが、吉村の前には女性が座っており 
二人で話し込んでるようだった。 

正直、吉村のプライベートに踏み込む気は全くなかったけど 
ガラ空きの店内でバイト先の先輩がいるのに 
あいさつしないのも不自然だと思って、吉村に声を掛けた。 

俺「こんにちは。吉村さん。今日はデートですか?」 
吉村「ああ。今ちょっと彼女と難しい話してるんだよ」 
吉村は素っ気無くぶっきらぼうに答えた。 
しかし、俺の声に反応して振り返った女性は、涙を流しながら首を振って 
「違うんです。付き合ってないんです」と言った。 
俺「え?…」 

意味が分からない。 
俺がしばらく固まってたら 
「お願いです。助けて下さい」 
と女性から泣きながらお願いされた。 
この女性が菜美だ。 

444: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:44:56 ID:DCddfn6p0
「おい、あんちゃん。おまえこいつの友達か?」 

呆然としてる俺に、吉村たちの隣に座ってた男が話掛けて来た。 
隣に座ってたのは、二人とも30代半ばぐらいのおじさんたちだった。 
ガラの悪いシャツにパンチパーマ、オールバックといったファッションで 
どう見ても健全な商売の人間には見えなかった。 
どうも、吉村は彼女と二人だけじゃなくて 
その横のテーブルに座る柄の悪い二人組とも連れだったみたいだ。 

菜美は清楚で大人しそうな感じ。吉村はいつも通りの秋葉系。 
吉村たち真面目組とこの柄の悪い二人とは全く接点無さそうだったんで、 
連れだとは思いもしなかった。 

手前側に座ってた893風の男は立ち上がると 
「あんちゃん、悪いことは言わねえよ。 
そんなに仲良くないなら、こいつらとは関わらない方がいいよ」 
と言って、俺の肩をポンと叩いた。 

吉村は無言だった。 
菜美の方は、涙をポロポロ流しながら、目から助けて光線を俺に発している 

俺「あの、とりあえずトイレ行って来ますね」 
そう言って、俺はトイレに向かった。 

トイレに向かうまでに、状況を整理して考えた。 
吉村&菜美組と、893風の男×2組は、どう見ても友人関係ではない。 
また、菜美が泣いているところからすると、 
何らかの理由で彼らは893組に脅されてるんだろう。 
そうだ。きっと二人は、チンピラに絡まれてるんだ。 
俺はそういう結論に達した。 

445: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:46:17 ID:DCddfn6p0
俺はトイレの大きい方に入って、小声で警察に電話し 
友達が893に脅されてるから来て欲しいと伝えた。 
電話を掛け終えた後、数分トイレで待機してから吉村たちの方へ向かった。 
数分待ったのは、少しでもあの居心地の悪そうな場所にいる時間を減らすためだ。 
吉村たちの席に向かったのは、 
人数が増えれば、893風の男たちも絡みにくいだろうと思ったからだ。 
ぶっちゃけ、バイト先での人間関係を悪くしたくないという打算もあったけど。 

もうすぐ警察も来るし、しばらくの我慢すればいいだけだ。 
そう自分に言い聞かせて、俺はトイレから出た。 

俺「あの、俺も話聞きます」 
893男「いや、こっちはそれでもいいけどさ。 
あんた、ホントにいいの? 
こいつらの借金の話してるんだよ?」 
俺「え?借金?この二人のですか?」 
菜美「違うんです。お願いです。助けてください」 
菜美は涙で化粧は落ちてまくりで、脂汗タラタラで顔は真っ青だった。 

893たちは借金だといい、菜美は違うという。 
とりあえず俺は、一番信用できそうな菜美を信用することにして 
吉村たちの席に座った。 

座ってから、俺は一言もしゃべらず吉村と菜美の話を聞いてるだけだった。 
話を聞く限りでは、どうも吉村は、菜美に風ゾクで働くようお願いしてるようだった。 
菜美は「無理です」とか「お願いです。もう帰してください」 
と涙を流しながら、平身低頭な懇願を繰り返すばかりだった。 

446: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:46:47 ID:DCddfn6p0
俺が席についてから5分もしないうちに警官が到着して 
俺たちは全員警察署に連れて行かれた。 
893風の男たちは 
「俺たち何もしてねえよ?何でだよ?」 
と抵抗してたけど、警察は問答無用だった。 

警察署で事情聴取を受けて取り調べ用の部屋を出ると 
別の部屋から菜美が出てきて、俺に話しかけてきた。 

菜美「ありがとうございました。助かりました。 
ぜひお礼をさせてください。連絡先教えてもらえませんか」 

俺が携帯の番号を聞くと、菜美はまた部屋へと戻って行った。 
別にお礼なんかいらなかったけど、それぞれ話が食い違ってた理由と 
「付き合ってない」と言った意味が知りたくて、俺は番号を教えた。 

その日の夜、菜美から電話があった。 
お礼の品物を渡したいので自宅を教えてほしいと言われた。 
俺は、お礼はいらないと言い、 
代わりに少し話がしたいから喫茶店で会わないかと提案した。 
菜美は承諾してくれ、俺の最寄り駅近くの喫茶店まで出てくると言った。 

だが、待ち合わせ時間が夜になるので、 
今日のこともあるので菜美の自宅から遠いところでは危ないと思った。 
結局、菜美の最寄り駅の一つ隣の駅の近くの喫茶店で会うことになった。 

一つ駅をずらしたのは、 
菜美の自宅の最寄り駅が、893風の男たちに絡まれた駅、 
つまりバイト先の最寄駅だったからだ。 

447: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:47:42 ID:DCddfn6p0
喫茶店で見た菜美は 
前日の泣き崩れた菜美とは別人のようで、吉村がよく話してるように、 
きれいな黒髪のストレートがよく似合う、清楚な雰囲気の美人だった。 

自己紹介を一通り終え 
その後、お礼と謙遜を言い合ったりとか 
菓子折りを渡そうとするので「結構です」と押し返したりなどの定例の社交辞令の後、 
菜美から昨日の顛末を聞いた。 

驚いたことに、菜美は吉村とは知り合いでもないと言う。 
菜美が言うには、事件のあった日、路上で吉村に唐突に 
「借金のことで話がある」と話しかけられたらしい。 

菜美の家は母子家庭で、あまり裕福ではなくそうだ。 
このため、東京の大学に娘を進学させるために借金をし 
菜美は、てっきりその話なのかと思って、 
吉村の誘いに乗って喫茶店に着いて行ってしまったらしい。 

本題に入らないままファミレスで茶飲み話をしていると 
吉村に呼び出しに応じて後から893風の男たちがやって来て 
吉村を含めた三人に囲まれてしまったらしい。 

893風の男たちは 
「俺らここで待ってるからよ。二人で話をつけろや」 
と言い、菜美たちの横のテーブルに陣取ったらしい。 

448: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:48:36 ID:DCddfn6p0
893風の男たちが来てから、初めて吉原は借金の話を始めた。 
実は、吉原は街金から借金してており 
返済資金に困っているので返済に力を貸して欲しいと、 
泣きながらお願いされたとのことだった。 
力を貸すってのは、つまり風ゾクで働くってことだ。 

理不尽な話なので最初は 
「何で私が…」とか「関係ありませんから」などと反論して 
席を立って帰ろうとしたらしい。 
だが、席を立とうとすると、吉村に腕を掴まれて無理やり引き戻され 
また、893風の男たちからも 
「話のケリもつけずに帰ろうってのか? 
なめてんのか?てめえは?」 
と凄まれたりしたので、怖くて帰ることが出来なくなってしまったらしい。 

あまりに意外なストーリーに俺は呆然と聞いてた。 
だが、そのとき俺は、菜美の話をあまり信じてなかった。 
見ず知らずの女に「自分の借金返済のために風ゾクで働いてくれ」と頼むやつなんて、 
現実にいるわけないだろ、と思ってた。 

449: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:49:24 ID:DCddfn6p0
俺「山田さん、もしかして○○駅近くの○○と 
××駅近くの△△でバイトしてるんじゃないの?」 
菜美「え?……何でご存知なんですか?」 
俺「吉村さんから聞いてるからだけど。 
山田さんは見ず知らずだって言ってるけど、 
どうして吉村さんは、そのこと知ってるのかな? 

それから、もしかして自宅近くにファミマあるんじゃない? 
吉村さん、よくそこで山田さんが何買ったとか話してたよ。 
本当に、見ず知らずの人なの? 

吉村さん、山田さんとの結婚考えてるって言ってたよ。 
トラブルに巻き込まれたくない気持ちはよく分かるけど 
でも、見ず知らずの他人なんて言い方したら、吉村さん可哀想だよ」 

菜美はきっと、トラブルから逃げたくて、吉村と赤の他人のふりしてるんだろう。 
そう考えた俺は、菜美に不快感を感じて、つい意地悪なことを言ってしまった。 
意地悪な問いかけによって 
菜美は開き直って、少しは本当のことでも話すのかと思った。 

だが菜美は、この話を聞いてガタガタ震え出し、泣き出してしまった。 
涙も拭きもせずにうつむいたまま脂汗流しており、顔は真っ青だった。 
とても演技とは思えない狼狽ぶりだった。 

俺「……………… 
もしかして、本当に見ず知らずの他人なの?」 

450: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:49:55 ID:DCddfn6p0
菜美は声も出さず、真っ青な顔を何度もたてに強く振るだけだった。 
たてに振る顔は、いつの間にか、 
初めて会ったときのようなグシャグシャの泣き顔だった。 
あまりにも取り乱したので、 
この話は中止して、俺は菜美を励まして少し落ち着かせた。 

菜美は、まだ東京に来たばかりで、 
頼れる友達もいないのにこんな事件に巻き込まれ 
どうしたらいいか分からないと泣くばかりだった。 

仕方なく俺は「俺でよければ、出来ることならするよ」 
「力になるから」「大丈夫。少しは頼りにしてよ」 
というようなことを言って、菜美を励ました。 

だけど内心では「街金は、さすがに手に負えないなあ」と思ってた。 
そんなわけで、俺は成り行き上、菜美とよく連絡をとるようになった。 
ほぼ初対面の俺に頼らざるを得ないぐらい、菜美は困ってたんだろう。 



その後すぐ分かったことだけど、 
街金も吉村も「借金の返済方法について相談しただけ」 
ということで、すぐに釈放された。 

452: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:51:22 ID:DCddfn6p0
数日後、バイトで吉村と一緒になった 
早速、吉村に菜美とのことを聞いてみた。 
。 
俺「吉村さん、山田さんとホントに付き合ってるんですか?」 
吉村「そうだよ」 
俺「でも、山田さん、吉村さんと話したこともないって言ってましたよ」 
吉村「話さなくても、俺たちは心が通じ合ってるんだよ」 
俺「……( ゚Д゚)」 

俺「でも、まだ話したことない人とどうやって仲良くなるつもりなんですか」 
吉村「それを考えるのは、相談に乗ってるおまえの仕事だろ」 
俺「……( ;゚Д゚)」 

吉村「おまえ、赤い糸って信じるか?」 
俺「はあ」 
吉村「俺と菜美は、一つになるってことが運命で決まってるんだよ」 
俺「……(;;゚Д゚)」 
吉村「まだ、おまえには分かんないかもな。 
お前も運命の人にめぐり合えば、きっと分かるよ 
強く引かれ合う力ってのがさ」 
俺「……(;;;゚Д゚)」 

俺「山田さんとデートって、したことあります?」 
吉村「あるよ。いつも帰り道、一緒に歩いてるよ」 
俺「え?並んで歩いて、手なんか繋いだりするんですか? 
じゃあ、おしゃべりしなくても十分ラブラブじゃないですか」 
吉村「いや、手は繋いでない。まだ少し距離をおいて歩いてるよ 
でも、俺たちには十分なぐらいの近い距離だよ。 
その距離なら、俺たちは心が深く通じ合うんだよ」 
俺「……で、どれぐらいの距離で歩いてるんですか?」 
吉村「50メートルぐらいまで近づけば通じ合うよ」 
俺「……(;;;゚Д゚;)」 

453: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:51:52 ID:DCddfn6p0
俺「そんな大切な人を、どうして風ゾクに沈めようなんて思うんですか?」 
吉村「これは俺たちの試練なんだよ。 
だけど、俺たちは二人の力で、必ずこの試練を越えてみせるよ」 
彼女も辛いだろうけど、俺だって辛いんだよ。 
俺たちはこの試練を必ず乗り越える。 
俺「……( ;;;゚Д゚;;)」 

吉村「俺たち二人のことを邪魔するやつらは、必ず俺が叩き潰すから 
俺が、必ず菜美を守るから」 
俺「……((((;;;゚Д゚;;)))ガクガクブルブル)」 

吉村から話を聞くまで半信半疑だったけど、 
菜美の言ってることは本当だった。 
こんな危険なやつがいたんだ。 
実際にこんな人がいるなんて思ってなかったから、手が震えるぐらい驚いた。 

菜美に守ってやるといってしまった手前 
俺は、有事に備えて飛び出し警棒を買った。 

454: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:52:51 ID:DCddfn6p0
俺は店長に事件の顛末を話して 
菜美の身の安全のために吉村の両親と話したいから 
吉村の実家の住所を教えて欲しいと頼み込んだ。 

店長は、吉村のおかしいところに心当たりがあるらしく 
俺の話をすんなり信じてくれて 
「いやー。予想以上にとんでもねえやつだなw」と笑ってた。 

だが、個人情報の提供については、しばらく考えた後、 
やはりバイトの個人情報を教えることはできないと言った 
俺はしつこく食い下がった。 
店長「うーん。大変なのは分かるけど、 
やっぱり個人情報を教えることはできないよ」 
俺「そこを何とかお願いします。 
今はそんなことを言ってる場合じゃないんです 
全く無関係の罪もない女の子が、犯罪に巻き込まれるかもしれないんですよ」 
などと俺が延々と力説してたら 

店長「話は変わるけどさ、この事務所の書類整理の仕事を頼むよ。 
その棚にある履歴書なんかを、整理してファイリングしておいてくれないかな。 
俺はこれから1時間ぐらい出かけるけど、その間にお願いね」 
と言ってくれた。 
店長に深くお礼を言って、俺は仕事に取り掛かった。 

吉村はバイト仲間内でも屈指の働かないやつで、 
ほとんどバイト収入なんてないくせに、都内一人暮らしだった。 
自宅と実家がすぐ近くであるので、 
菜美のように地理的理由で一人暮らしをしているのではない。 
意外にも、吉原はいいご身分だった。 

455: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:53:24 ID:DCddfn6p0
たぶん、俺が店長に話したからだと思うが 
話した後すぐ、吉村はバイトをクビになった。 
実際、ほとんど仕事しないし、よく休むし、 
バイト仲間からも嫌われてるやつだったので 
クビにする理由はいくらでもあった。 

俺は、菜美にさっそくgetした吉村の個人情報を伝え 
親御さんに話して、 
もう近づかないよう吉村の親に警告してもらうことを提案した。 

しかし、菜美は複雑な顔をして、親には話したくないと言った。 
菜美を大学に通わせるために、菜美のお母さんはかなり無理をしてるようで 
毎晩、体力的に限界に近くまで働いているらしい。 
疲れてるお母さんに余分な心配掛けたくないと菜美は言った。 

菜美からの相談に乗ってるうちに、 
俺たちは、次第に事件以外のことも色々と話すようになった。 
菜美は母子家庭であまり裕福ではなく 
仕送りが少ないために、生活費は自分のバイトで捻出していた。 
また卒業のためには奨学金獲得が必須であるため、 
大学の勉強で手を抜くわけにもいかず 
家に帰ってからも自習をせざるを得ず 
このため、普通の大学生のように楽しく遊ぶ時間なんて 
ほとんどない生活だった。 

東京でなかなか親しい友達ができないのは、 
まだ来たばかりという理由以外に、 
ほとんど遊ぶ時間がないというのも 
関係してるんだろうと思った。 
友達の少なさとは裏腹に、菜美はすごくいい子だった。 

456: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:53:57 ID:DCddfn6p0
色々話すようになって分かったんだが 
菜美は、とても同じ年とは思えないほどすごく大人で、 
しっかり芯を持った人だった。 
苦労してるだけあって、周りの人にも優しかった。 
俺は、急速に菜美に惹かれていった。 

バイト先でのヒアリングで吉村が危なすぎるやつだと分かったので、 
俺は可能な限り菜美の送り迎えをするようになった。 

菜美を自宅まで送った後、 
一人で夜道を歩いているとき、目の前に吉村が現れた。 

吉村「おまえ、どういうつもりだよ? 
俺の女に手出すんじゃねえよ?」 

超びびッた。 
菜美がおまえを怖がってるとか 
おまえから危害を加えられないために送り迎えしてるんだとか 
いろいろ説明したけど、全く無駄。 
「俺と菜美は心でつながってる」とか「菜美はおまえを迷惑がってる」とか 
吉村は根拠のない反論し繰り返した。 
もう「菜美と俺は相思相愛」てのを固く信じちゃってて 
全く聞く耳持ってくれなかった。 

457: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:55:40 ID:DCddfn6p0
話してるうちに 
「杀殳すぞこの野郎!」 
と吉村は俺に殴りかかってきた。 
でも、俺と吉村では体格も全然違うし 
吉村はかなり運動神経が鈍い方だったから、問題なくさばけた。 

みぞおちを一発殴ったら、吉村はうずくまって動かなくなった。 
うずくまる吉村に俺が、もう一度、 
菜美は吉村を怖がってて、出来れば会いたくないと思ってると話したら 
「おまえが、おまえがあああ、嘘を吹き込んでるんだろうううう!!!!」 
と怒鳴って、その後 
「ウウウウウウウウウウウ」とうなった。 
うずくまってうなり声を上げる姿は、本当に獣みたいだった。 
背筋に冷たいものを感じて、思わず走って逃げてしまった。 

安全なところまで逃げてから、すぐ菜美に電話した。 
吉村に会って喧嘩になったこと、 
何やら物凄い執念だったから、戸締りはしっかりして、 
今日はもう家から出ないようにということ 
何かあったら、何時でもいいから、すぐに俺に電話するように 
ということを言った。 

458: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:56:20 ID:DCddfn6p0
菜美からの連絡はその日の夜にあった。 
電話ではなくメールだった。 

メールには 
玄関前で音がしたので、菜美がドアの覗き穴から外を覗いたら 
ちょうど吉村もその穴から部屋の中の様子をうかがってる最中で 
うっかり目が合ってしまったとのことだった。 
すぐ近くにいると思うと怖くて声が出せないから、 
電話ではなくメールで連絡したらしい。 

俺は、すぐに警察に連絡するように返信したら 
警察に電話なんかしたら、通報する声が吉村に聞かれてしまって 
それで逆上されて、とんでもないことになるかもしれないって返信が返って来た。 

俺は、警察への通報は俺がするということ、 
すぐ行くから部屋から出るなということをメールで伝えた。 
俺は、昔、野球やってたときに使ってた金属バットをバットケースに入れ 
そのまま菜美の家に向かった。 

警察は、俺が着くより前に見回りに来てくれたらしいけど 
周囲をざっと見て、菜美の部屋のベルを鳴らして 
菜美の顔を見て無事を確認したらすぐ帰ってしまったらしい。 

その日、俺は菜美の部屋に入れてもらった。 
翌日、菜美は朝早くに出発の予定だったので 
俺が寝ないで見張ってるから、とりあえず菜美は寝るように言った。 

460: 恋人は名無しさん 2008/03/26(水) 12:56:36 ID:AU49Knvd0
支援……( ゚Д゚) 

引用元:https://love6.5ch.net/test/read.cgi/ex/1204555706/
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