前編 後編

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:48:40.27 ID:alpydwtj0
たつかな?





3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:49:12.18 ID:k73ZVAFj0
たつた

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:50:18.38 ID:RF3NG/PG0
はやくしろ

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:50:36.17 ID:alpydwtj0
お!

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:51:23.27 ID:alpydwtj0
今振り返ると信じられないぐらい青春だったので書いてみる。 

NTR的な展開あり。 

スペック 
俺 
当時15 
彼女いない歴=年齢 
身長低め 
サッカーヲタ 
レミオロメンのベースに似てる

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:51:30.13 ID:O2wggPAS0
期待

13: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】[] 2012/01/25(水) 20:53:40.56 ID:lo1aUggR0
>>1
 
今、何歳?

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:57:56.77 ID:alpydwtj0
>>13
 
20代中盤す

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:52:38.97 ID:alpydwtj0
俺の青春が始まったのは今から10年近く前のこと。
高校1年生になったあたりからだった。 

当時俺はいわゆる中二病+硬派を標榜していて、クラスの女子とは関わろうしてなかった。 

愛読書は三島由紀夫。いつ腹を切ってタヒのうか、などと考える危ないやつだった。 

「硬派を標榜していた」とはいっても、クラス1美少女のハーフの子に無謀な片思いをして、軽いストーキングをした後、彼氏がいるのが発覚して勝手に落ち込む程度は、恋愛に興味があった。 

というか、やっぱり恋愛には興味津々だったのだ。 

俺とDが出会ったのはその頃だった。

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:53:50.32 ID:alpydwtj0
しかしこのDが俺の恋愛の相手になるわけではない。Dは男だ。 

俺の学校は中高一貫校だったが、高校から入ってくるやつも多い。その中の一人がDだった。 

そいつは最初わけの分からん奴で、いきなり初日の朝のホームルーム後、共通の近所の友達がいるとかで、 

D「おやおや?君が俺君?イメージと違うねえ。」 

とか話しかけてきやがった。 

俺「ああ、うん」 

と、俺はとりあえずこいつをやり過ごした。 

こいつが俺の青春に一役買うことになるとは俺はまだ知らなかった。 

スペック 
D(男) 
当時15 
彼女いない歴=年齢 
身長高め 
J-POPヲタ 
中村憲剛に似てる

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:54:34.14 ID:alpydwtj0
Dは本当にとらえどころがなく、学校初日の授業中に突然、 

D「韓国では最近若者がキムチを食べなくなって社会問題になってるらしいよwww」 
とか 

D「意外に思うかもしれないけど・・・ヨーロッパには差別という文化が無いんだ・・・」 
とか 

脈略のない、意味不明で間違った話を連発していた。 

DはすぐクラスのDQN(仮に朝青龍とする)と仲良くなった。 

朝青龍とDは、中身のない薄っぺらな会話をいつもしていた。

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:55:56.66 ID:alpydwtj0
この朝青龍は(顔が朝青龍のくせに)、クラスの関西弁を話すかわいい女子と付き合ってた。 

仮にこの女のことをNMBと呼ぶことにする。 

朝青龍は本当にひどいやつで、NMBと付き合うことになったその日に男子の集まりの中にニヤニヤして入ってきて 

朝青龍「ふふふ、俺にもついに性処理器ができた」 

とほざいていた。 

実際に、考えられないぐらいの頻度で二人はヤっていた。 

当時、クラスの美少女に軽いストーキングをするぐらいの恋しか経験していない俺には衝撃的だった。 

Dと朝青龍が教室の隅でその詳細な話をしているのを聞いて、薄寒くなったのを覚えている。

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:56:07.20 ID:9ckT3uOc0
朝青龍www

20: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】[] 2012/01/25(水) 20:56:49.59 ID:lo1aUggR0
NMBってなんだよwww

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:58:28.22 ID:alpydwtj0
>>20

スペック 

NMB 
関西弁 
黒髪で豊満な身体つきをしている 
スポーツ得意な、おてんば系

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:57:15.02 ID:RF3NG/PG0
ぶつかり稽古だと...クソ!

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:59:04.87 ID:RF3NG/PG0
朝青龍の卒アルうp

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:07:38.87 ID:alpydwtj0
>>24
 
できるわけあるかwwww

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:59:08.79 ID:alpydwtj0
その頃の俺は特定の誰かと一緒にいるわけでもなく、かといって一人でもなく、適当にクラスの男子と、ぼんやりとした日々を過ごしていた。 

そんな中、いつの間にか俺は、Dと仲良くなっていた。 

きっかけは忘れてしまったが、彼が俺と同じサッカー部に入ってきたことや、朝青龍への陰口、クラスにいる羽生名人そっくりのメガネくんいじりなどをするうちに、仲良くなっていったように思う。

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 20:59:53.78 ID:alpydwtj0
その中で印象的だった出来事が一つある。
まだそれほど俺とDが仲良くなかった頃の話だ。 

とある日の部活の帰り道、特に理由はないが俺とDで、なんとなくジュースなんかを飲みながら、公園のベンチに座っていた。 

特に話すこともなかったが、俺はなんとなく気になっていたことについて聞いてみた。 

俺「あのさー」 

D「ん?何何何?」 

俺「お前、ともちんのこと好きだろ?」 

「ともちん」とはクラスの女の子で、今で言うとAKBの板野友美を、ちょっと朴訥にした感じだった。 

俺は行動がバカっぽかったので好きではなかったが、その子は実際モテそうな感じではあった。 

D「は?なんだよ突然・・・」 

いつもふざけていたDの目が、マジになった。

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:00:36.34 ID:alpydwtj0
Dの初めて見せる鋭さに、俺は少し戸惑った。 

が、少しからかってやろうと思い、 

俺「いや、だってお前いつもともちんの方見てんの知ってるしw」 

と極めて冷静を装って、カマをかけてみた。 

そうするとDは一瞬焦った表情を見せたが、突然フッと笑って、 

D「まじかよ!お前いつから気付いてたんだよwww」 

なんて意外にあっさりと認めてきた。

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:01:36.46 ID:alpydwtj0
この出来事を境に、俺も例のハーフの子のことをDに話したりして、Dと秘密を共有することになり、急速に仲良くなりはじめる。 

朝青龍が、DよりもNMBとの放課後○○○タイムを選ぶようになったこともあり、Dは朝青龍とは疎遠になり、俺と過ごすことが多くなった。 

仲良くなってみると、意外にDは話の出来る奴だった。 

聞けば転校後数日の奇行は、彼なりにみんなと馴染もうとした結果の行動だったらしい。 
といってもやっぱり意味は解らないが。 

家の方向が同じだったこともあり、本来なら電車で数駅の距離を二人で歩いて帰ったり、当時大学生と付き合ってたクラスの女子の放課後デート待ち合わせ現場を意味なくのぞき見したり、コント台本を考えて学校のイベントで大ウケをとったりと他愛もないことで盛り上がっていた。

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:04:01.61 ID:alpydwtj0
そんな高1の夏、Dにとって衝撃の事実が明らかになる。 

Dの片思い相手のともちん。
そのともちんに、県外在住の遠距離恋愛中の彼氏がいることが発覚したのだ。 

俺は「ざまあwwwwww」と馬鹿にしていた。 

とか言っていたら俺も数日後に、ハーフの子が彼氏とデートして、キスしているのを目撃してしまった。 

まさかの同時多発失恋である。 

しかし、このW失恋が偶然にも俺の青春への動き出しと重なる。

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:04:51.96 ID:alpydwtj0
その頃、なんと1年ほど付き合っていて、学年のベストカップル()とまで呼ばれたNMBと朝青龍が別れてしまう。 

朝青龍もひどかったが、このNMBという女もほんとにしょうもないやつで、男の気を引くのがうまく、男に言い寄り「●●が彼氏やったら楽しいやろなw」等、甘い台詞と絶妙なボディータッチで、男を手当たり次第「キープ」状態にするのがうまかった。 

「キープ」状態とは、NMBがその気になれば、いつでも付き合えるような状態にしておくことだ。 

朝青龍と付き合っているときはこの「キープ」癖も収まったかのように見えたが、朝青龍と別れそうな雰囲気になったあたりから、再発。 

NMBは、俺とDのことも「キープ」にしようとしていた。 

俺とDとNMBの三人で、放課後マク○ナルドで過ごしたりすることも多くなった。

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:05:57.19 ID:alpydwtj0
ある日、NMBから俺の携帯にメールが入った。 

「今から朝青龍と別れる・・・と思うんだけど公園に見に来ない(笑)?」 

今思えばこれは、NMBの「秘密を共有することで、親密感を出す」=「キープにするための作戦」なのだが、俺とDはもちろん急いで公園に向かった。 

俺たちも、NMBと同じぐらい悪い顔をしていたと思う。

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:06:59.23 ID:alpydwtj0
公園に着くと、二人はベンチに座っていて、真剣に話しているようだった。 

俺とDはふざけて、大声で 

俺「なぁ、民主党って政権取れると思う?」 

D「いやー、なかなか厳しいんじゃない?」 

俺「いやでも不可能じゃないっしょ」 

D「もし取れたらオオゴトだぜ、誰が総理になるんだよ」 

などと難しく聞こえるが意味のないことを叫びながら二人の後ろを通ったりしたが、彼らは話に夢中で気付かなかった。

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:08:14.28 ID:alpydwtj0
しばらくするとNMBが、朝青龍と話しながら携帯を取り出してメールを打ち出した。 

俺の携帯にメール着信がある。 

NMB【俺君来てるの?どこにおるん??】 

俺【後ろにいるよ。メールとかしてて大丈夫なの?】 

NMB【大丈夫wお母さんとメールしてるって言ってるwww】 

俺はNMBとの共犯意識で、ゾクゾクした。

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:08:57.36 ID:alpydwtj0
そこから木陰に隠れて見守ること20分。 

二人は話し終えたみたいで、朝青龍はベンチから立ち上がり、一言NMBに何か言ってから駅の方に向かって歩いて行くのが見えた。 

俺たちは完全に朝青龍が見えなくなるのを待ってから、悪い笑顔で、 

俺&D「わーー!」 

と叫びながらNMBのもとへ駆けていった。 

NMBは俺たちを見つけると 

NMB「なぁもお、どこにおったん?」 

と可愛い笑顔で微笑んだ。 

NMB「朝青龍と別れ話してる間も、ずっと探しとったんやからな!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:09:17.91 ID:alpydwtj0
俺たちは恋人の別れという、プライベートな瞬間をのぞき見したことに完全にテンションが上がっていた。 

D「うっほwwwwwうっほwwww」 

こいつはテンションが振り切れてる。 

NMB「はーあ・・・」 

俺「ん?」 

NMB「んー、別れちゃった・・・」 

この女は、付き合いたくなったら相手に告白させ、別れたくなったら相手に別れの台詞を言わせる、そういう女だ。 

今回もその通りだったのに、「別れちゃった」とか言っている。 

恐ろしい女だ。

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:10:00.13 ID:alpydwtj0
俺「ああ、見てりゃわかるよ・・・」 

するとNMBはフッと微笑み、 

NMB「あーでもなんか逆にスッキリしたかも。あ、そうだ!ねえ、俺君・・・」 

俺「ん?」 

NMB「抱きしめて?」 

俺「!!!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:11:35.17 ID:alpydwtj0
俺は迷った、ここは抱きしめておくべきなのだろうか。 

この空気だ、テンションでごまかして、「まぁまぁ」なんつって抱きしめても全然大丈夫だ。 

全然大丈夫だ・・・イケる・・・ 

・・・ 

しかし当時は硬派を標榜していた俺。どうしていいかわからずにいると 

NMB「・・・なあんてね、本気にした?」 

俺「!」 

まぁそりゃそうだ。軽いジョークだ。 

しかし、その目がなんだかどこか寂しそうで、それがとても、とても心に引っかかった。 

その夜は一晩中「あのとき抱きしめていたら」ということばかり考えていた。

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:12:07.52 ID:alpydwtj0
学生時代の恋愛ってのは、往々にして長続きしないもので、ほどなくして、ともちんも遠距離の彼氏と別れたという話を聞く。 

Dはもちろん歓喜。 

喜びのあまり放課後の公園で、突然歌いながら踊り始めた。 

まだ付き合えると決まったわけじゃねーだろバカw 

一方、俺もあの日以来なんとなくNMBが気になっており、・・・っていうかもう完全に好きになっていた。 

つくづく小学生みたいな単純な感情の流れで惚れてしまったと思う。 

-NMB編 始動-

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:12:57.15 ID:alpydwtj0
前々から、俺たちは好きな子の事を相談し合っていたが、この頃からそれを「作戦会議」と称するようになる。 

作戦会議、といっても俺とDがそれぞれの恋の妄想を、さも客観的な分析かのように語り合う会だ。 

場所は俺の部屋だったりしたこともあるが、主にDの家の近くの公園だった。 

傍からみたら、それはそれは気持ち悪いものだっただろう。 

高校生男子2人が、片思い相手の事情を無視して勝手に喜んだり、勝手に悲しんだりしているのだ。 

そんな会話がまた片思いをさらに過熱させていき、紅葉を迎える頃には、俺とDはどっぷり恋に浸かった男子高校生だった。

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:13:29.31 ID:alpydwtj0
そんなある日、とある授業のグループ分けが行われ、なんと奇跡的に俺、D、NMB、ともちんの4人が同グループとなった。 

グループで時間を取って集まろうという話になり、ある土曜日に市の図書館で4人で集まることになった。 

もちろんこの前日に綿密な作戦会議が行われていたことは言うまでもない。 

少女マンガならここで、ちょっとしたハプニングで二人が急接近☆?な展開だが、本当にグループ作業と勉強だけで終わった。 

しかし当時の俺たちにはそれだけでも十分で、後の作戦会議で「あの発言にはこんな意図が隠されているに違いない」だの「5回も目があった」だの、くだらないことで盛り上がっていた。

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:14:21.43 ID:alpydwtj0
ここで話は少し脇道にそれるが、重要な話を記しておく。 

俺のキモい奇行の話だ。 

NMBに惚れてからの俺には、日課があった。 




それが『NMBチェックマークブック』だ。 





簡単に説明すると、NMBチェックマークブックはカレンダーのついている手帳で、そこには、その日NMBとどういう交流・接触があったかを記していた。

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:14:56.43 ID:alpydwtj0
一日の間にNMBとのコミュニケーションに応じて、チェックマークの数が変化した。 

詳細は以下の通り 

チェック0個:なにもなし 
チェック1個:会話があった 
チェック2個:ボディタッチがあった(手と手が触れる、なども含む) 
チェック3個:キス 

という感じだ。 

俺は毎日、このチェック3個を本気で目指していた。

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:15:49.09 ID:alpydwtj0
毎日手帳にチェックを書き込み、放課後の公園でDとどうチェックマークを増やしていくか話し合った。 

調子のいい日はチェック2個いけていたが、たいていは1個だった。 

0個の日は機嫌がわるく、Dに当たることもあった。 

それでも俺は毎日、本気でチェックマーク3個を目指していた。 

俺達は、毎日公園でチェックマークブックを見ながら「火曜日はチェック0個の日が多い 
」とか「ここ3日連続でチェック1個だ」とか「明日は数学の授業があるから、NMBは俺を頼ってくるはずだ。そこでチェック2個を狙う!」とか分析してた。

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:16:45.93 ID:alpydwtj0
そんなこんなで、俺のチェックマークブックのカレンダーもチェックマークで埋まっていき、街はすっかり冬の色。 

高校初の冬。 

そんな中でも毎日学校に行き、チェックを記入、Dに報告し、明日の作戦を考える。 

家に帰ってからもNMBがメッセンジャー(当時の主流)にサインインすれば必ず話しかけ、その内容をまたDと共有し、深夜まで作戦会議をした。 

授業中にNMBのことを思った詩をしたため、となりの席のやつに見つかりそうになり、あわてて隠したりしたこともあった。

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:18:05.52 ID:JrLQiDUj0
詩うp

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:19:13.06 ID:alpydwtj0
>>48
 
ノートのはしっこに書いてたが、ノート捨てたwww

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:18:21.73 ID:alpydwtj0
あれはたしか年末だったか、二人で出かけたことがあった。 

今思えばちょっとしたデートだったと思う。 

何をするでもなく、どうでもいい会話をしながら公園を散歩した。 

そのあと俺たちの街にある、大きくはないがシンボルであるタワーを見に行った。 

俺はこのタワーが、こんなにきれいにきらめいているのに、初めて気がついた。 

この日、NMBは俺を完全にキープにするためにか、とても良い思いをさせてもらった。 

チェックマーク3個は達成できなかったが、チェックマーク2個に収まらないぐらい、細かなボディータッチがあり、俺のタワー(ry。

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:21:01.40 ID:alpydwtj0
そうして日々が過ぎて、春が来て、俺たちは高2になった。 

俺のチェックマークブックも2冊目に突入した。 

そして最も重要なイベントの一つ 

高2の初夏の修学旅行がここで訪れる。 

行先は風光明媚な山の麓。 

つまりはハイキングだ。

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:21:42.89 ID:UabkBlgI0
裏山タヒ刑

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:21:48.66 ID:alpydwtj0
この修学旅行は、生徒数の関係で、課外授業の選択などに応じて、宿が複数に別れていた。 

宿は山の中で、それぞれ離れており、特に夜間の行き来は不可能だった。 

俺とDは「宿は同じで、同室」だが、「日中のアクティビティ」は別々。 

Dはともちんと、「アクティビティは一緒」だが、「宿が別」なのを嘆いていた。 

しかし、そんな嘆きは俺の耳には入らなかった。 

なぜなら俺はNMBと、「宿もアクティビティも一緒」。 

完全に浮かれて上の空だったからだ。 

「修学旅行用、新チェックマーク基準(全5段階)」なんかを作りながら・・・・

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:22:19.89 ID:alpydwtj0
この時の俺の心は完全にNMBにロックオンされていて、忘れていたことがあった。 

それは日中や宿で、NMBは女子と一緒に行動することが多くなることだ。 

まぁ考えれば当然だ、NMBはまだ俺の彼女じゃないんだし、女子と一緒にいるのは当たり前だろう。 

俺がこのことに気づいたのは、バスが宿に着く直前。 

急遽となりの席のDと、どうやってNMBと二人きりになるか話し合うことにした。 

しかし考えつくものは実現可能性の低いものばかり。俺は頭を抱えた。 

宿分け表によれば、俺たちの宿には、NMBと特に仲の良い女子(蒼井優にちょっとにてるので、優ちゃんと呼ぶ)が一人一緒だった。 

NMBと仲の良い他の女子は、全員別の宿だったため、俺は、こいつさえいなければ、まだなんとかできるチャンスはあるのに・・・と、思い、俺たちの作戦はどう優ちゃんを遠ざけるか、が焦点になっていった。

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:22:50.72 ID:alpydwtj0
そして大型バスが宿に到着する。 

部屋に入り、荷物を置き、とりあえず集合時間まではしばらくあったが、 

D「売店いこうぜwwwwww売店www」 

というDについて売店へ向かった。 

1階に下りて、ロビーを通り抜けて売店に行く道すがら、ロビーで優ちゃんが荷物を持って立っているのが目に入った。 

そこへ先生が奥から走って戻ってきた。 

先生「ごめんごめん、やっぱり手違いで、予約が1人分だけ間違っていたみたい。」 

優「え、じゃあどうすればいいんですか?」 

先生「うーん、おそらく優さんは向こうの宿に行ってもらうことになるかな?」 

俺「!!!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:23:08.89 ID:alpydwtj0
優ちゃんが向こうの宿にいけば、NMBと仲良い女子はいなくなり、 

つまり俺とNMBが二人きりになれる可能性が爆上げ。 

俺は神と手配を間違った先生に感謝した。 

そうして優ちゃんは別の宿に向かった。 

勢い余って「新チェックマークシート基準」がとんでもなく過激になったのを覚えている。

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:23:49.18 ID:alpydwtj0
偶然とはいえ、俺がNMBと仲良くなるには良い環境が整ったこともあり、修学旅行中、俺はなんとかNMBと距離を詰めようと必タヒだった。 

NMBもNMBで、俺に優しくしてくれた。 

超優しくしてくれた。 

正直、俺には刺激が強すぎた。 

登山をする日には手をつなぎながら登ったり、頂上では飲み物を奢りあったり、お互いの荷物を持ってあげたりした。 

俺は有頂天だった。 

周りは既に完全に付き合っていると思っていたらしい。 

でも二人の間で、愛の確認作業がまだだったので、正確にはまだ付き合っていない、ということになる。 

俺は早く確認作業をして、FIFA公認カップルになりたかった。

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:24:22.33 ID:alpydwtj0
その夜、俺は宿の外のベンチで、Dと馬鹿話をしたあと、 

俺「決めた、俺明日の夜告るわ」 

D「まじか!ついに」 

俺「うん、やっぱり俺はNMBが・・・ 

D「あ!ネコだぁ!!待てええええ」 

Dは人の話を聞かない奴だった。 

しかし最終的には、Dも太鼓判を押してくれた。子猫を膝に乗せながら。 

D「まぁその山登りの話聞く限り大丈夫だろ。ねー?ねこにゃんにゃん!はい!ねこにゃんにゃん!」 

と太鼓判を押してくれた。 

そして「オペレーション・脱トモダチ」に向けての作戦会議をすぐさま始めた。

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:24:54.85 ID:alpydwtj0
作戦はこうだった。 

夜、どうにか先生たちの監視の目をくぐって、NMBに俺とDの部屋に来てもらう。 

しばらく3人で話した後、わざとらしくDに電話が入り(携帯のフェイクコール機能的なやつで)、Dが退出。 

二人きりになった時点で告白。 

うまくいった場合のため、Dにはその後俺から連絡が来ない場合は部屋に帰ってくるな、と言っておいた。

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:25:27.09 ID:alpydwtj0
作戦決行当日。 

Dが「まあダメでも押し倒しちゃえよ☆」とか言ったせいで 

俺は頭がクラクラして、どうにかなりそうだった。 

相変わらずNMBは、俺がまるで彼氏かのように扱う。 

それだけでもうふわふわ時間だったが、その雰囲気も手伝って、 

俺「夜こっちの部屋来てDと3人で話さない?」 

とスムーズに切り出すことができた。 

NMB「えーっ、ええけど、先生に見つかったりしたらどうするん?!」 

俺「大丈夫だって、あいつら適当だから」 

NMB「うーん、まあわかった。じゃあ大丈夫そうやったら後でメールするねっ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:26:06.54 ID:alpydwtj0
そして夜。 

NMBからメールが入る。 

NMB【今からそっち行けそう。 部屋何号室やったっけ?】 

俺【○○号室。鍵開けとくからそのまま入ってきて】 

こんなセリフ、もう一生言うことはないだろうw 

NMBを待っている時間は、たかだか数分だったと思うが、とてつもなく長く感じた。 

こんな中でもDは、フェイクコールを受けて、外に出ていくリハーサルをしている。 

しかもふざけてわざと変な調子で 

D「あーそれそれ、電話っだよ~♪どっなたっから~♪」 

とか歌いながら。 

お前それシクったらぶん殴るからなwwww、つかNMBが来たらどうするんだよ、落ち着けwww、と言おうとしたその時、 

ガチャ、と扉があき、ピンクパジャマ姿のNMBが慎重に入ってきた。

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:26:56.48 ID:alpydwtj0
!!! 

超可愛い。 

俺はドキドキを隠しながら 

俺「おお、来た来た」 

NMB「もお~っ!途中○○(先生)に見つかりそうで大変だったんやからね~。ってかD!めっちゃ久しぶりなかんじする」 

D「おー、たしかに久しぶりだ。日中会わないからなあ」 

NMB「うんうん!で、そっちのグループはどんな感じなん?」 

D「俺はともちんいるから、それでおーるおっけえwww」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:27:22.10 ID:alpydwtj0
DとNMBが他愛もない会話をしている間、俺は勿論緊張してあまり会話も楽しめずに、早くD出てけよ、空気読めよ、などと思っていた。 

そして何度かの目配せの後、ようやくDに「電話」がかかってきた。 

よしスムーズに退室しろよ・・・、そう思った時 

D「あ~それそれ♪でっんわっだよ~♪もっしもし~♪」 

Dはさっきの「リハーサル」どおり、おふざけ調で電話をしながら部屋から出ていったのだ。 

俺は本気でこいつバカなんじゃねえのか?と思った。 

せっかく立てた作戦が、この不自然な退出で台無しになったらどうする! 

しかしNMBも、それで何か察したらしく、なんとなくそのままになった。

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:28:02.79 ID:alpydwtj0
俺は、ようやく二人きりになれたので、早速作戦結構に移ることにした。 

NMBはベッドに座り、俺は近くの椅子に座っていた。 

やはり愛の告白をするのだから、もっと近くに座らなければいけない。 

そう考えていたのだが、そこでとんでもない事実に気づいてしまった。 

NMBの髪はシャワー上がりでしっとりとまとまっていて、黒髪が輝いている。 

普段学校では見ることのないパジャマ姿。 

収縮性のあるその布は、意外にぴっちりしていて、NMBの身体のラインが浮き上がる・・・ 

さらに気付いてしまった。今俺は女の子と部屋に二人きりだということに。 

・・・(ゴクリ 

エ口い・・・

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:29:19.92 ID:RF3NG/PG0
展開がはやすぎて追い付けない

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:30:39.04 ID:alpydwtj0
エ口すぎる・・・ 

さらに追い打ちをかけるように、以前深夜にメッセンジャーで話していた会話が脳裏をよぎる 

-回想-

俺【今夜は冷いね】 

NMB【な!めっちゃ冷える。ウチ寝る時基本パジャマにノーブラやから(笑)】 

-回想終-

つまり・・・今日も・・・

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:32:23.41 ID:alpydwtj0
しかしいつまでもNMBの身体を見つめているだけでは始まらない! 

チェックマークブック(新)をチェックマークで埋め尽くさなければ! 

おもむろに立ち上がり、NMBの隣に座る。 

しばらくは他愛もない話でもりあがった 

学校の先生の噂話やら、昼間のアクティビティの話などだ。 

NMB「Dくん、ドコ行ったんやろw」 

俺「さあw知らないw」 

NMB「Dって、ようわからんところあるよなあw」 

俺「あるあるw」 

NMB「・・・」 

俺「・・・」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:32:55.16 ID:alpydwtj0
そして次の瞬間 

NMBが 

俺の肩に 

頭を乗せてきた 

俺「!!!」 

沈黙が部屋に流れる。 

外でネコが鳴く声がしたような気がした。

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:33:54.00 ID:g3et/Amo0
うわああああああああああああああ

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:35:52.92 ID:alpydwtj0
俺は自分に言い聞かせた、今だ、今がそのタイミングだ。 

しかし俺の肩に乗っている頭のことを考えると、のどがカラカラになって何も出てこない。 

俺「・・・」 

NMB「・・・」 

俺「あの・・・さ・・・」 

NMB「フフッ、どしたん?」 

俺はとんでもない量の勇気を振り絞った。 

そしてついに 

俺「あの・・・好き・・・で・・・す」 

NMB「・・・?」 

俺「その、NMBが・・・好き。」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:37:09.40 ID:alpydwtj0
NMB「・・・」 

俺「好き、だよ・・・?」←完全に調子に乗っている。 

っしゃあ!言ったあぁ! 

さあ、あとは向こうの「あたしも」を待つだけだ。 

どうやってその後に持ち込もうか・・・ 

いまDはどこにいるのだろうか・・・あいつにも伝えなきゃ・・・ 

NMB「・・・っ、ごめん。私そういうの無理なんだ」 

俺「!?」 

そういうとNMBは立ち上がり、虚を突かれた俺を尻目に、 

NMB「じゃあまたね」 

と呟き部屋から出て行った。 


俺の恋がまた一つ終わった。 

-NMB編・終了-

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:37:41.39 ID:RF3NG/PG0
あっさり終わったなwwwww

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:37:55.48 ID:JrLQiDUj0
ワロタ

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:38:28.74 ID:kPoPlAXU0
あっさりフラれてるwww

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:38:48.06 ID:alpydwtj0
NMBに拒否された次の日、昨日までのラブラブっぷりが嘘のように、日中行動でもNMBと気まずい感じになっていた。 

目も合わせてくれない。 

しかし周りの友達は、別室に移動したDから、俺が何をしようとしてたかが筒抜けになっており 

「おめでとうwww」
「脱童おめ」
「こんど俺にも色々為教えてくれよ」 

などと散々言われ、その度に機嫌が悪くなっていった。 

そんな俺を見て、NMBは俺から離れていった。 

廻りは、「照れるなよ~」と囃し立てるデフレスパイラル。 

「オペレーション・脱トモダチ」は、成功した。 

逆ベクトルで。

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:39:13.05 ID:alpydwtj0
そんな修学旅行の中で、俺はひとつ重要なことを見逃していた。 

それはDの事だ。 

Dは着実に修学旅行のアクティビティで一緒なのをいいことにともちんといい感じになっていた。 

俺は自分のことに必タヒにだったし、Dも聞かれないと自分のことを話さないタイプの人間だ。 

そのため、Dとともちんが付き合いそうになっていることなど俺には知る由もなかった。

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:39:36.05 ID:alpydwtj0
修学旅行最終日前日、宿の外のベンチで俺が「あーすればよかった、こーすればよかった」話をしていると、突然何かを思い出したかのように、 

D「あ、おれともちんと付き合えるかもしれない。っていうか、付き合えそう?みたいなwww」 

・・・ 

数日前までの俺なら、心から祝福していたかもしれない。 

が、俺はキレた。 

俺「お前さ」 

D「ん?」 

俺「俺が振られたっていうのに・・・よくそんな事が言えるもんだなあああ!!!」 

俺は心のどこかでDがいつもの調子でおちゃらけて返してくると期待していた。 

しかし 

D「・・・うるせーよ、お前に関係ないだろ」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:40:08.88 ID:alpydwtj0
予想外の答えに虚をつかれた俺は、 

俺「お前・・・お前、分かってんのか?」 

D「なにがだよ」 

俺「お、おま、お前がともちんと付き合うっていうことは・・・俺と・・・ぜ、絶交するってことだからな」 

D「は?お前何言ってんの?」 

そこで俺は、また余計な事実に気づいてしまった。 

Dの右腕に、ともちんがいつも右腕につけているミサンガがついていることに・・・ 

そして俺はさらに逆上した。

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:40:53.06 ID:CzTAFVrZ0
あー…

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:40:57.12 ID:g3et/Amo0
わろたwwwwwww

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:41:13.28 ID:alpydwtj0
一晩明けて、次の日の朝。 

今日は最終日といえど、帰路につくだけだ。 

機嫌がとんでもなく悪かった俺は、NMBとも、Dともシカトし合いながら、大型バスに乗り込む。 

修学旅行用チェックマークシートは宿で破って捨てた。 

途中のSA休憩でも、Dとも、NMBとも無視し合っていた。 

俺は「最近ちょっとちゃらちゃらしすぎた。俺は硬派に一人で生きていくのが似合ってたんだ」と、今後また、一人で過ごす決心を固めていた。

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:41:45.67 ID:alpydwtj0
コーヒーを一人で飲んでいた俺に、 

Dが近づいてきた。 

俺「・・・」 

D「やっぱ俺、ともちんと付き合う」 

俺はDをぶん殴った。

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:42:25.11 ID:UabkBlgI0
えー…

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:42:41.82 ID:alpydwtj0
しかしDは殴り返さない。 

Dはなんとも言えない、勝ち誇ったような、さびしそうな顔をして、Dがともちんのいる女子グループの方に歩いて行くのが見えた。 

Dがともちんに話しかけて、ともちんを外に連れだすのが見えた。 

女子グループが囃し立てる中、二人は外に出て行き、見えなくなった。 

紙コップの底にたまった砂糖はどんなにコーヒーをかき混ぜても溶けなかった。 

その日、Dはともちんに告白し、二人は付き合い出した。

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:44:02.77 ID:g3et/Amo0
お前ら美男美女で想像してるだろうけど、そんなことないからな

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:44:22.84 ID:alpydwtj0
まあ、いざ二人が付き合うとなったら、俺にも冷静さが戻ってきた。 

その場のテンションで「絶交だ」なんて言っていたが、本気でそう思っていた訳ではない、 

と帰りのバスで思い直した俺は、地元に戻ったあと、Dに謝り、Dも俺に謝り、前みたいに普通に話をするようになった。 

ともちんは、Dと付き合うことになった直後、Dが俺に絶交だと言われた話を聞かされており、そのことについてとても心配していたそうだ。 

ただのバカっぽい子かと思っていたが、なんだ、いい子じゃないか。 

ともちんと俺はDと付き合うまではあまり話したことなかったのだが、案外いい子で、3人で遊んだりするような仲になった。 

NMBとの事にも踏ん切りがつき、また俺に新しい好きな人ができたのは落ち葉が目立ち始める高2の秋だった。

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:44:51.76 ID:alpydwtj0
修学旅行のとき、俺とNMBの間を邪魔するんじゃないかと危惧された優ちゃんを覚えているだろうか。 

俺はこの優ちゃんを今度は好きになっていた。 

理由はよく覚えていないが、修学旅行のあとから、座る席が近くなったこともあってよく話すようになった。 

優ちゃんはとっつきにくいと思っていたが、話してみると意外に共通の趣味があったりして、話が盛り上がった。 

NMBみたいに男慣れしていないところも好印象だった。 

俺は当初、NMBの邪魔をする優ちゃんが嫌いだったが、Dは当時から「えー、いい子じゃん」と言っていたので、俺が「優ちゃんを好きになった」と言った時の彼の目は色々言いたそうだったが、「いーんじゃね?」と言ってくれた。

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:45:57.59 ID:CzTAFVrZ0
目移りぱないww

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:46:31.54 ID:RF3NG/PG0
普通の高校生って感じだな

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:46:31.82 ID:alpydwtj0
スペック 
優 
蒼井優にちょっとだけ似てる。 
女の子っぽい服装をしているところを見たことがない。

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:47:02.75 ID:alpydwtj0
ここで俺はNMBに少し感謝することになる。
NMBとの数々の接触の中で、俺の中の「女子苦手意識」がなんとなく払しょくされて、女子とも気軽に話せるようになっていたのだ。 

俺は、今度こそ優ちゃんと、ちゃんと仲良くしようと試みて、着実に、一歩一歩進もうと決意した。 

ストーキングや、チェックマークシート制は廃止された。 

しかし優ちゃんはなんともとらえどころのない子で、何を考えているのか、そもそも恋愛に興味があるのか、そういうことが全く分からない子だった。 

これまで「恋愛大好きっ!」な女子に極限まで振り回されていた俺は、優ちゃんに癒されつつ、その一方で優ちゃんの本音を知りあぐねてモヤモヤしていた。

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:48:26.55 ID:alpydwtj0
このもやもやを解消するために、他の女子(仮にみぃちゃんとする)に相談することにした。 

みぃちゃんは優ちゃんと仲が良かったので、俺はみぃちゃんに「優ちゃんが好き」ということを打ち明け、協力してもらうことにした。 

これもそれも、NMBにキープにされていた間に身についたコミュ力のおかげである。 

スペック 
みぃちゃん 
AKBの峯岸みなみの初期の頃に似ている 
優ちゃんとは仲がいいが、女子全体の中ではなんとなく浮いている

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:49:17.20 ID:alpydwtj0
そんなある日、優ちゃんが、とあるSNSで「好きな人がいる」という風に読める発言をした。 

これは、「優ちゃんは恋愛には興味がない」と思っていた俺に多大な衝撃を与えた。 

が、話はそれだけにとどまらなかった。 

Dとの放課後会議を重ねていく中で、それが俺の大嫌いな、一つ下の学年にいる、雰囲気イケメンのRなんじゃないかという疑惑を持った。 

好きな人がいるのはいい、年頃だ、そういうこともある。 

しかしそれがあの雰囲気イケメンの代表格みたいな中身スッカラカンのRだなんて、正直優ちゃんのセンス、人格を疑った。 

俺はひどく失望した。

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:50:28.28 ID:alpydwtj0
俺はすぐさまみぃちゃんにメッセンジャーで相談した。 

今思えば、好きな人のことを、他の女子に相談できるとか、とんでもない贅沢であるが、当時の俺にそんなことはわからない。
あくまで日常の一風景である。 

俺【優ちゃんに好きな人がいるっぽい、もうだめだ・・・】 

みぃちゃん【えーっ、そうなの?本人何にも言ってないけど、どうしてわかったの!?】 

説明する俺。 

みぃちゃん【うーん、でもそれってまだわかんないじゃん】 

俺【いや、もういいんだ。たぶん間違いないんだ。】 

みぃちゃん【そっかあ】 

俺【うん・・・】 

みぃちゃん【そっか・・・】

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:50:56.93 ID:alpydwtj0
そしてここでなぜか、俺こと中田英寿は、間違ったキラーパスを出してしまう。 

俺【・・・ところでさ、みぃちゃんって好きな人いないの?】 

みぃちゃん【え?!あたし?なんでそんなこと聞くの?】 

俺【いや、なんか気になって。】 
俺【なんか前に俺のこと気になったかも、みたいなこと言ってなかった?】 
俺【あれ?俺のこと好きなの?】 

実際このようなやり取りはあった。けど当時の文脈的には、恋愛相談の中で、意外な俺君を知れて興味湧いた、程度の事だったと思う。 

みぃちゃん【・・・んー、なんか相談に乗ってたらそういう風に思ったかもだけど、】 
みぃちゃん【別にそーゆーのじゃないから!】 

そして俺こと柳沢敦は、急にボールが来てもないのに間違った方向にシュートしてしまう。 

俺【でもさ、俺も優ちゃんとは終わったし、みぃちゃん、もし良かったら俺と付き合おうよ】

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:51:25.80 ID:alpydwtj0
いま考えると本当にどうかしてるが、みぃちゃんの返事は 

みぃちゃん【・・・ほんとにいいの?】 

だった。 

俺【うん、よろしくね】 

ということで、意外な方向で俺に初めて彼女ができた。 

-みぃちゃん編 始動-

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:51:59.86 ID:alpydwtj0
人生初の彼女にウキウキの俺こと、彼女持ちの俺はさっそくDに報告した。 

D「まぁよくわかんねぇけどいいんじゃね?」 

と言われた。 

なんだよこいつ、つれねえなぁと思いつつ、おれは早速メールでみぃちゃんと明日の「放課後デート」の約束を取り付けた。 

そのメールを見返しているうちに、どんどんみぃちゃんの事が自分の中で大きくなっていき、窓に向かって「俺・・・みぃちゃんが好きだ」とか言ってた。完全に浮かれていた。 

その夜、俺の枕への「キス練習」は深夜にまで及んだ。

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:52:11.50 ID:CzTAFVrZ0
間違いすぎワロタwwww

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:52:50.80 ID:alpydwtj0
次の日、朝起きると、世界が少し明るく見えた。 

俺、彼女持ちなんだ・・・ 

そう思っただけで、足取りも軽かった。 

学校に行くと、クラスにはみぃちゃんもいて、なんとなく二人でそわそわしてしまうのが初々しいな、なんて思いながら授業を受ける。 

もちろん優ちゃんも同じクラスだから時々視界に入る。 

目が合いそうになったが、逸らした。 

ふっ、過去の女め。やれやれだぜ。 

俺はもう先の未来へいっちまったんだぜ。あでぃおす、ちゃお。

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:53:15.83 ID:alpydwtj0
そうして授業が始まった。 

彼女持ちの俺は、華麗に板書を決める。 

・・・ 

あれ? 

なんだろう、この心のモヤモヤは・・・ 

彼女がいるのに、大好きなみぃちゃんと付き合ってるのに・・・ 

このモヤモヤは、さっき優ちゃんと、目をそらしてからだ。 

・・・? 

ちょ、ちょ待てよ自分、俺はみぃちゃんと付き合ってるんだし、優ちゃんはあのくそみたいなRが好きなんだぞ、忘れちまえよ。 

結局その日の授業は何も頭に入らなかった。

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:53:36.99 ID:alpydwtj0
そんな簡単に忘れられるわけがないのが恋愛であることを俺はこの時初めて知った。 

俺は 

俺は 

やっぱ優ちゃんが好き・・・かも?

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:54:38.61 ID:alpydwtj0
俺は、憧れだったはずの放課後デートをメールで断り、返事も待たずそのままDをいつもの公園に誘った。 

俺「やっぱ俺・・・優ちゃんが好きかも?いや、好きだわ。でもみぃちゃんと付き合ってるし・・・どうしよう。」 

D「じゃあみぃちゃんと別れて優ちゃん狙えよ」 

こいつはこういう当たり前のことを、抜群のタイミングで言う。 

そうだ、俺は優ちゃんが好きなんだ。

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:54:58.25 ID:kPoPlAXU0
こいつ好きな人変わりすぎだろw

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:55:04.06 ID:alpydwtj0
普通だったらば、ここで「そうか!僕はほんとの気持ちに気づいたよ!僕、もう優ちゃん一筋でがんばる。みぃちゃんには真剣に謝って許してもらう!」となるが、 

しかし俺は皆さんの想像以上のクズ人間なので 

俺「ま、とりあえず、みぃちゃんはキープかな。一応【距離を置こう】ってメールして、ほんで優ちゃん狙ってうまくいかなかったら、またヨリ戻そー」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:55:53.10 ID:alpydwtj0
みぃちゃんに【こないだはごめん。土日の間、俺一人で今後の事を考えたい。時間が欲しいから、二人ちょっと距離を置こう】とメールした俺は週末、朝ゆっくり起きて、ゆっくり一人で考えた。 

俺は本当は、誰が好きなのか、優ちゃんなのかみぃちゃんなのか。 

答えは簡単だった。 

やっぱり 

俺は優ちゃんが好きだ。 

そして週明けすぐ、俺は優ちゃんをデートに誘った。 

この行動力もNMBのキープだった時期に身につけたスキルの一つだ。 



なんと 

快諾された。

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:56:18.90 ID:CzTAFVrZ0
NMB直伝:キープ

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/25(水) 21:56:48.03 ID:MSCRcP5d0
男友達全然でてこないじゃねーか…

前編 後編
引用元:https://www.logsoku.com/r/2ch.net/news4vip/1327492120/



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