525: 九尾狐 ◆85KeWZMVkQ 03/09/12 00:47 ID:impU7QPX
すでにご存知の方も多いと思いますが、ここで紹介する私のネタのほとんどは、
私が靴業界にいたときの話です。
靴を含む革製品はけっこう韓国から輸入が多いので、この業界にいる人は当然
在日さんも多かったりします。
しかしながら日本はけっこう納期が厳しいところが多いので、これが韓国人には
理解できずにけっこう簡単に考えられがちです。5月に入荷しなければならないサンダルが、
9月に入港するという笑い話にならないことがあったりします。
まぁ、この話もけっこうおもしろいので、起きていたら4時ごろにうpします(藁
さて、こんな半年近くも納期遅れではなく、1週間程度の遅れが最悪の結末を迎える
場合もあります。今回はその話をご披露いたします。
(次回 本編)
あれは半年ぐらい前から量販店の企画があって、格バイヤーが問屋に価格帯を提示して、
サンプルを用意させた中から選考されるのです。そりゃ、全国規模の商品ですから、
扱い量も半端な数じゃありません。しかも、靴はサイズがあるので、1アイテムの
投入量がものすごい数があります。当然、大売出しですから利幅も削られるんですけど、
卸価格でも億近い金額が動きます。しかし、このおいしい商談にも大きなリスクがあります。
全国にCMを流すわけですから、納期遅れで売り場に商品が間に合いませんなんて
言い訳は絶対にききません。1日も遅らすこともできないわけですから、そりゃ韓国の
製品が決まったときには、さすがの猛者達も獣の目つきでメーカーに厳命 をだします。
「納期が遅れるようなら取引停止じゃすまないぞ!」
こっちも社運がかかるような臨戦態勢です。
ニダーさんの社長に状況を十分に理解してもらったうえで、原皮のところからチェックして
納期の確認は小姑のごとくうるさく確認していよいよ生産にはいっていくわけです。
春の大売出しまであと60日。
(続く)
アウトソール(地面に接地する部分)で構成されております。
表皮を木型にまきつけるようにして、インソールに釘で仮固定して整形したあと、
インソールとアッパーを接着します。そのあと仮止めの釘を抜いて、アウトソールを
接着します。最後に染料で光沢を出して完成となります。
検品スタッフがから報告があったのは、アウトソールとの接着がが終了した工程で、
中底から仮止め用の釘の抜き忘れが見つかったことです。その数、4%。
これは致命的です。1足でも発見されれば全品指いれ検品になるのですが、4%も出ては
かなり深刻です。さっそく本社から完成品から全品検品の指示がとび、工場からも検品担当を
分配します。本社では作業スケジュールの調整をして、現地の出港を4日ずらします。
ちなみに入港してからプライス付け、アソートセット、出荷の工程で約2週間が必要です。
この時点で春の大売出しまであと30日。
(続く)
PL法という怖い法律があり、消費者が損害をこうむった被害については製造者責任、
輸入品の場合には輸入者責任になり、大きな問題となってしまいます。
ちなみにこの釘が売り場で発見されれば、間違いなくで取引停止になってしまいます。
そりゃ、テレビCM、地域のチラシなど大規模な宣伝している状況でこんなことやれば
とうぶんは干されてしまいます。
さて、現地では予想外の全品検品により検品スタッフは過酷な状況に追い込まれています。
そこへ商品部部長からの指示がとびます。
「現地の香具師がやった検品済みをもう一度調べろ。」
検品作業の8割は現地スタッフがやっているので、この指示自体がもう無茶です。
とりあえず検品をしてみたら、検品済みの中から釘抜き忘れが見つかりました。
4人で全品検品が決定しました。検品数1万8千足。ひとりあたりのノルマ4500足。
出港予定まであと4日。
春の大売出しまで24日。
(続く)
検品スタッフは昼夜を問わず出港までに検品作業に追われています。
幸い、眠気覚ましのキムチは食べ放題です。
ここで貿易部からのはからいで、入港予定を東京から下関に変更して、出港予定を2日
遅らせてくれました。営業と商品部からは感謝されましたが、現地検品スタッフは2日ほど
地獄の日々が延長されました。さらに商品部から、物流センターに再度全品検品の指示が
はいります。さすがに4人で過酷な検品作業では見落としも考えられたための予防措置です。
さぁ、2週間しかない出荷作業に全品検品がはいったため、物流センターも臨戦態勢をとる
破目になりました。
さて、いよいよ出港の日です。
当日、午前4時ごろ、商品部部長の携帯に検品作業終わりの報告がはいりました。
あとは箱詰めしてコンテナに積み込み、通関手続きをするだけです。
検品スタッフは船積みを確認してその重責をはたしました。
春の大売出しまであと18日。
(続く)
コンテナが陸揚げされました。
運の悪いときには予想もしないことがおこるもので、滅多にないことがたまたまおこるものです。
詳しい事情はわかりませんが、通関検査がはいってしまいました。
ここ下関で4日ほど足止めになります。乙仲にはやく通関してくれるよう依頼しますが、かたや役所です。
簡単にこちらの言うことなんか聞いてくれません。結局余計に4日ほど足止めされた後、下関から
茨城の田舎の倉庫まで、コンテナを積んだトレーラーは突っ走ります。
予定より5日ほど遅れて、朝9時に着いた荷物をおろし、いよいよ検品、プライス付け作業を開始した
パートのおばさんからの報告で、出荷スタッフは絶望のどん底に叩き落されます。
春の大売出しまであと11日。
(続く)
パートのおばさんたちが検品、プライス付けをしているとどうも靴の大きさが左右違う。
で、よくよく見てみると、22.5の箱の中に右足23.5・左足23.0といった感じで滅茶苦茶だ。
それもほとんどがそんな状況です。これはやばい....時間がないというのに....
「とにかく、全部箱から出して組み直せ!」
ただでさえ忙しいのに、100人でやる18,000足の神経衰弱は始まった。さすがにこの数になると、
箱の出し入れだけでも大仕事である。マジに納期が厳しくなってきた。
夕方、午後5時になるとさらに追い討ちをかけるように、パートのおばさん達は夕べの支度のため、
皆さん帰宅してしまいました。人数は極端に減り、バイト君と社員だけの総勢20人。
この日は朝まで神経衰弱を楽しんで、文字通り神経が衰弱した。
春の大売出しまであと10日。
(続く)
数があわない....
神経衰弱をやって、正しく左右の靴を組み合わせていったら、今度はサイズで組み合わせができない
ものが大量に余ってしまった。
「発注のアソートがセットできない....」
簡単な例をあげると、右足の24.5は100足分あるのに、左足が20足しかないという状況。
そのかわり23.5が逆に余ってる。
セットを組んでいくとどうしても15店舗分足りない。
明日にでも出荷しなければならない状況で、これはメーカーに文句言ってる暇もない。
営業はすぐにバイヤーに頼み込み、30店舗分のサイズアソートを組みなおして、
伝票発行の依頼をしてきました。しかし、組みなおした伝票は明日の朝6時に受信だ。
春の大売出しまであと18時間。
(続く)
とはいっても、バイク便でもないかぎり10時までに店にもって行くことはできない。
幸い、すべて関東圏の店なので、バイト君も総動員して直接店に持って行くことになった。
6時20分、30店舗分のダンボールができ、トラックに積み込み最寄の駅まで持っていく。
駅には30人の社員、バイト君が待機していてそれぞれ荷物を持って電車に乗り込んだ。
車で行っては渋滞に巻き込まれるので、電車で納品だ。
すべての荷物は各店舗に無事に納品されて、はるの大売出しに穴を空けることなく全て完了した。
後にも先にも電車で納品するなんてことはこれっきりであろう(藁
(終劇)
乙ですた。
その後、このメーカーとの取引は・・・二度と無いですよね?
これくらいで取引停止したら、取引できるメーカーがなくなります。
私が遭遇した最高のごまかしは、
箱の中に靴のかわりに石がはいってた...(韓国製)
でも上には上がいて、
箱の中に靴といっしょにさそりが入ってた(ブラジル製)
お疲れ様です。
間に合って良かったですねー
考えられるミスを一通りやってみたような話だ…
いやはや間に合って良かった
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1000: 名無し@HOME
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