2: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)12:42:07 ID:SLI(主)
あのあとバーベキューはつつがなく……終わらなかった。

何を思ったのかペッくんがカメラを取り出しリア様の写真を取り出したのだ。
取り巻きはなんとか止めさせたい様子だったのに、
なぜかリア様がノリノリだったので誰も口出しできず、
ペッくんがさらに調子に乗っていく。






3: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)12:42:43 ID:SLI(主)
「それじゃあ次はこのソーセージを口に含んで……」
「こうですか?」
「おお!ワンダホー!じゃあ次は舐めてみよう」
「舐める?食べるではなくて?」

リア様気付いて、それセクハラだ!

5: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)12:43:20 ID:SLI(主)
なお、このあとリア様以外の女子集団にどこかへ連れて行かれたペッくんは、
もうバーベキューパーティーには戻ってこなかった。調子に乗りすぎちゃったね。

でも大学警察に引き渡されるよりはマシだと思うよ、うん。

6: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)12:47:01 ID:SLI(主)
辺りを見回すとケイがホワイト教授から解放されていた。

「そういえばケイ」
「どうした?」
「ニコラが言ってたんだけど、彼女の寮には男の子が遊びにくるらしいよ」
「なんだって!?」
「男子エリアとか女子エリアに分かれてはいるけど、
 別に入っちゃダメってことではないみたいだね」
「なんてこった……」
「これで堂々と遊びにいけるじゃん。よかったね」
「……」
「ケイ?どうした?」

7: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)12:48:30 ID:SLI(主)
それでは続きはまた夜に

See you soon!

9: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)13:08:34 ID:cOs
おースレ立て乙
応援してるからガンバリー

10: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)13:09:05 ID:Sp1
記念パピコ!

17: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)18:30:36 ID:SLI(主)
ケイがまた黙考の海へ泳ぎだしてしまった。
しょうがない、おまえの分の肉は僕が食べておいてあげるよ。
焦がしちゃったらもったいないからね。

僕が2人分のバーベキューを楽しんでいると森の方から真由子さんがやってきた。

「シュウスケー」
「先輩!」
「合格したんだってね、おめでとう!」

笑顔で祝ってくれる真由子さんの息が少し弾んでいる。
ひょっとして走ってきてくれたのだろうか。

「ありがとうございます」
「連絡を受けて飛んできちゃった。」

ぐは、真っ先に名前を呼んでくれたことといい、走ってきてくれた事といい
この人僕の事好きなんじゃないの?勘違いしますよ!

18: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)18:42:24 ID:SLI(主)
「でも浮かれてちゃダメだよ。これからまだまだ頑張らなくちゃいけないんだから」

この状態で浮かれるなって方が無理じゃない?
さっきから口角が上がりっぱなしなんですけど。

「頑張るためにも今日はここでしっかり食いだめしておきます!」
「あらおいしそう。私もちょっともらっていい?」
「どうぞどうぞ。お肉はいっぱいありますから」

ありがとな、ケイ。

「でもこんなにいっぱい食べたらおばちゃんのチャーハンは入らないかな?」
「え、それって……」
「合格祝いに今日の夜にでも行こうと思ってたんだけど……」
「おばちゃんのチャーハンは別腹です!」

21: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)18:57:44 ID:SLI(主)
「真由子、それにシュウも!よく来たね!何食べる?」
「実は今日シュウがね……」

僕が試験に合格した事を真由子さんが告げると、おばちゃんは我が事のように喜んでくれた。
お祝いだと言って出してくれたごまだんごがとても香ばしくておいしい。
次来た時も頼もうと思ってメニューで名前を探していると、
特別なお客様にだけだからメニューには書いてないんだよと、こっそり教えてもらった。
このだんごがおいしいのは、おばちゃんの優しさがつまってるからに違いない。

25: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)19:17:09 ID:SLI(主)
お腹いっぱいになるまで食べた後は、やはり勉強会が待っていた。
ホワイト教授には悪いけど真由子さんに教えてもらった方が身に付くような気がする。
きっと真由子さん自身が苦労して覚えたことだから、こんなにわかりやすいんだろう。

「僕にばかりかまっていて、先輩は課題とか大丈夫なんですか?」
「平気へいき。こっちは基本的に休暇中に課題が出る事って無いから」
「え!?じゃあアメリカの子供たちには夏休みの宿敵(とも)がいない!?」
「どうだろうね。私も小学生の事情はわからないや」

アメリカの子供たちは課題もなしに長い夏休みをどうやって過ごしているのだろう。
ピザでも食べているんだろうか。

「小さい子に興味があるなら休暇中にホストファミリーの所にいくのも良いかもね」
「ホストファミリーですか?」
「私の友達も何人か経験してるよ。学校というコミュニティだけじゃわからない
 アメリカ人の暖かさがわかるんだって」

それも結構楽しそうだな。機会があったらやってみたいけど、今はトーフルに集中集中!

……真由子さんと一緒にホストファミリーのところへいけたら……はっ!?集中!!

35: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)19:50:45 ID:SLI(主)
朝起きると絶好調だった。肌ツヤにしてもやる気にしても素晴らしい。
前回といい、これはもうおばちゃんのチャーハンのおかげに違いない!
これからは大事な日の前は絶対におばちゃんの店に行こう。

36: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)19:57:13 ID:SLI(主)
カレンダーを見ると7月1日の日曜日となっている。
アメリカに来てもうひと月になるのか。
僕はこの1ヶ月でどれだけ成長できただろう。

英語は話せるようになってきた。友達もできたし、日常生活もまあなんとかおくれている。
問題があるとすればこのところ少し運動不足な所だろうか。
少し勉強に集中すると肩や背中がボキボキ鳴るようになってしまった。

せっかくやる気に満ちあふれてるんだ。
今日はこれまでに行ったことない学内のジムに行ってみるか!

37: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:01:04 ID:SLI(主)
「あら加納君、おはようございます」

ジムへ行ったらリア様がランニングマシーンで黙々と走っていた。
今日は取り巻きを誰も連れていない。よかった。

「おはよう中院さん」
「あれ?もうリアって呼ばないんですか?」
「へ?」
「この前はリアさんって呼んでくれたじゃないですか」

そうだっけ?全く覚えがない。心の中ではいつもリア様呼びなんだけどね。

38: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:06:53 ID:SLI(主)
「それじゃあ、リアさん。こんなところで合うなんて珍しいね。ダイエット?」
「加納くん……あなたはもう少しデリカシーを持った方がいいんじゃありません?」
「そうしなきゃと思うんだけどねぇ。なぜかリアさんの前では本音がぽろっと漏れちゃうんだよ」

だから今まで必要以上に怒らせちゃったんだよな。反省しないと。

「直した方がいいですよ、そういう所。じゃないと相手を不快にさせてしまいますから」
「う、ごめん」
「さあ、あなたも体を動かしに来たのでしょう?よかったらバドミントンでもいかがですか?」

今バドミントンって言った?この僕に?
バドミントン県大会ベスト4の姉ちゃんに鍛えられた技をとくと見せてあげようじゃないか!

39: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:11:48 ID:SLI(主)
「まさか……僕が負けるなんて」

圧倒的敗北……。決まったのはフェイントが数本だけ。
基本スペックが違いすぎる。……ひょっとしてこいつは

「私こうみえてもバドミントン部に入ってたんです」
「卑怯だ!」

どう見てもテニス部って見た目でしょうが!すっかり騙されたよ!

「でも加納君もいいものもってますよ。すぐに私にも勝てるようになります。」
「ホント!?」
「残りの2ヶ月、毎日5時間欠かさず練習すればの話ですがね」

それって僕では絶対勝てないって言ってますよねー。

40: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:29:01 ID:SLI(主)
あ、そういえば

「リアさん、合格おめでとう」
「なんですか突然?」
「昨日は人に囲まれてて言えなかったから」
「たしかに昨日のパーティーはなんだか慌ただしかったですね」

とくにリア様の周りがね。

「そういう加納くんも合格したんですよね。おめでとうございます」
「ありがとう。リアさんが勉強頑張ってたのも独り立ちの一環?」
「それもあります。でも一番は周りの期待、ですかね」

どういうこと?って表情がそのまま顔に出てしまったらしい。

「私の友人はみんな、私が1番にトーフルを合格するに違いないとつゆほども疑ってなかったんです。
 皆さんが信じてくれる分、その期待に答えたいと思うのが人というものではありません?」

あ、わかる。僕に期待してくれてるのはバアチャンをはじめとする家族だけだったけど
ここに来て真由子さんが応援してくれるようになって、その期待に応えたいとずーっと頑張ってきた。

「たしかにそうだね。僕も信じてくれる人のおかげで今回合格できたようなものだし」
「誰の事考えてるかすぐにわかりますね」

え?ほんとに?

41: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:34:53 ID:SLI(主)
「高岡先輩とはもう付き合ってらっしゃるんですか?」
「まさか、そんなわけないじゃん!」
「あら、そうなんですか。あんなに仲が良いじゃありませんか」

え?そう見える?まいったなー、ぐふふ。

「そうだ、この前のお礼もかねて、私が加納くんと高岡さんの
 恋のキューピッドに鳴って差し上げます!」

42: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:39:11 ID:SLI(主)
「え、いや、僕は、そんなだいそれたこと考えてないよ。い、今はトーフルの成績を上げる事が最優先で……」
「私は高岡先輩の方にも少なからず好意があると考えてます」
「ほんとに!?」
「……だいそれた事は考えてなかったのでは?」
「嘘つきました。すいません」

43: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:45:44 ID:SLI(主)
「でも具体的にはどうするの?そもそもリアさんと先輩に接点が無いじゃん」
「そうですねぇ……。そういえば加納くんは次の懇親会の予定など聞いてます?」
「懇親会?」
「ほら、前回私たち運動ができる服装じゃありませんでしたから、懇親会を抜けましたでしょ?」
「ああ、あったねそんなこと」
「そのとき高岡先輩にジムでのお手合わせをお願いしたんですが、未だに返事が無くて……」

あれ?そんなこと言ってたっけ?あの時の事は全部シャトルに乗せて遠くにぶっ放しちゃったので
よくおぼえていない。

「私が懇親会をしたがってると高岡先輩にお伝えください。
 そこであなたと先輩がペアを組めるように動いて差し上げます」
「すごい……完璧な計画だね!」
「私にかかれば朝飯前です」

そうか、リア様はきっとこれまでに様々な恋愛を経験してきたんだろうな。
これは頼れる女友達ができたかもしれない!

45: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:52:25 ID:SLI(主)
結局お昼まで粘ってもリア様に勝つことはできなかった。

「やりますわね。でも今日はここまでにしましょう。今日は午後から約束がありますので」
「約束?高橋さんたち?」
「いえ。実は今お父様がボストンに滞在してるんです」
「リアさんのお父さん!?」
「はい。心配性な父で『1ヶ月も会ってないんだから顔を見せろ』というんです」
「なるほど!だからダイエットしてたんだね」
「デリカシー!」

……すいませんリア様。

46: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:55:57 ID:g4g
良いツッコミだw

47: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)20:59:48 ID:SLI(主)
人に見られないようにリア様とジムで別れた僕は、とりあえず部屋に戻る事にした。
ケイがどこにも出かけてなければいっしょにカフェテリアでランチにしよう。

「ただいまー!」

ドアを開けると、そこにケイの姿はなかった。
それどころかケイのいた痕跡すらどこにもなくなっていた。

48: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:01:17 ID:SLI(主)
アニメタイム行ってきますノシ

49: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)21:02:34 ID:pja
行ってらっさい

53: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:11:51 ID:SLI(主)
朝起きた時はまだ寝てたのに、いったいケイはどこに消えてしまったんだ?
ここのところ落ち込んだり元気になったり……ひょっとして何かの病気だったのか?
どうして気付いてあげられなかったんだ……

などと僕が途方に暮れていたらドアの錠が開く音がした。

「ケイ!?」
「ごめんねケイじゃなくって」

現れたのは真由子さんだった。

「これからしばらくひとりでこの部屋使えるんだね。よかったじゃん」
「先輩!?これどういうことです?」
「あれ、ケイから何も聞いてない……?」

54: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:15:49 ID:SLI(主)
「ケイね、ひとり部屋に移る事にしたんだよ」
「ええっ!?」

どういうことだ?一言も相談されてないぞ!

「あの子志望校を変えたんだってね。だからひとりで勉強に集中できる環境がいるってことで——」
「……そんな、僕が邪魔ってことかよ、ケイ」
「アハハ、ちがうちがう。落ち込まなくて良いよ。勉強はただの建前なんだから」

……建前?真由子さん妙に明るいな。

「どういうことですか?」
「とにかく引っ越し先を見ればわかるよ。ついてきて!」

55: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:24:53 ID:SLI(主)
僕の寮から歩いて3分ほどの寮にたどり着いた。
ニューイングランドを感じさせるオシャレな作りの寮である。

「ここがケイの新しい寮よ」
「でも、ここって……」

僕にかまわず真由子さんはズカズカ中に入って行く。
扉が閉まる前に僕も中に入らないと!

エントランスから右側のエリアの扉をくぐって突き当たりの部屋にどうやらケイはいるようだ。

「ケイ、入っても良い?」
「高岡先輩ですか?今開けます!」

真由子さんの前に割り込んでみた。

「よお、ケイ」
「どわぁっ!?……なんだ、シュウもいっしょだったの?驚かすなよ」
「これ、どういうことだよ」
「いいだろ?ひとり部屋」
「おまえがいなくなったおかげで僕もしばらくひとり部屋なんだけどね」
「ああ、そうなるのか。お互い得したな!」
「得したな!じゃねーよ!なんだよ突然!」

ひょっとしたら学校辞めちゃったんじゃないかって心配したんだぞこの野郎!

「やっぱり、集中して勉強するにはひとり部屋が必要だろ?だから……」
「だからニコラのいるこの寮にきたの?」

まったく、人を心配させておいてこの男は……
僕より1歩も2歩も先を行ってやがる。

56: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:33:33 ID:SLI(主)
「……そもそもシュウが変なこと言うからだぞ」

あれ?僕何か変なこと言ったかな?

「ニコラの部屋に男が遊びにくるなんて聞いて、俺が平気でいられるわけないだろ!」

おいおいちょっとおちつけ

「誰もニコラの部屋に男が来るなんて言ってないよ。
 『ニコラの寮の女子エリアに男子生徒が遊びにくる事がある』って言っただけ!」
「……え?」
「だからケイも遊びにいけるね、よかったじゃん。って話だったのに……」

57: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:39:11 ID:SLI(主)
「ま、まあ、結果オーライだな!これですぐに遊びにいけるようになったし、
 お互いひとり部屋が手に入ったし……」

まったく。僕の心配を返せよなぁ。ここは皮肉のひとつでもぶつけておこう。

「おまえはこの部屋で勉強するんだろ?遊んでる暇なんてあるわけないよね」
「そんな事言うなよシュウ……」
「……冗談だよ。おまえの恋は応援してやるって」
「ありがとな、シュウ。俺もおまえを応援してるよ」

「あら、シュウスケも好きな人がいるの?」

ゲッ!真由子さんの存在忘れてた……

58: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:43:34 ID:SLI(主)
「ハハハ……シュウスケの奨学金獲得を応援するって意味ですよ。」

ナイスフォローケイ!って、そもそもおまえの失言だったな。

「な~んだ。せっかく後輩の恋バナが聞けると思ったのに」

この話題が続くのはたぶんまずい。なんとか話題を変えないと……そうだ!

「そういえば先輩、リアさんが先輩とスポーツで懇親会を開きたいって言ってましたよ」
「え!?何でそんな話になってるの?」

おや、先輩のテンションが急降下したな。やっぱりこの前の事件で苦手意識持ってる?

59: 名無しさん@おーぷん 2015/12/17(木)23:48:01 ID:SLI(主)
「リアさんはボストンコモンでそういう約束をしたって言ってましたけど……」
「え?そんな約束してな……

『……スポーツの方はいずれジムでお手合わせください。それではごきげんよう』

 ……してたかも。えー?でもあれってどう考えても社交辞令だよねぇ?」
「あいつ案外いい奴なんですよ。先輩もすぐ仲良くなれますって」
「あれ?シュウいつのまにあいつと仲良くなったんだ?」
「おまえがパンツ1枚でロックアウトされてたときだよ」
「パン1じゃねーよ!シャツも着てたから!」

ちなみに靴下も履いてたよね、ぷぷっ。

61: ◆fF7gRF2OO/G7 2015/12/17(木)23:56:20 ID:SLI(主)
「そうねぇ、スポーツもいいけど、今度こそみんなでちゃんと観光しない?」

僕は真由子さんと個人的な観光旅行の方がいいです。

「ん~あまり良い案とは言えないと思いますよ。
 あいつらもうボストン近郊はほとんど観光しつくしてますし。
 次はナイアガラの滝でも見に行かないかっていってましたよ。
 よっぽどのものが見れない限りあいつらはノってきませんって」

ケイがここまで言うなんて、ケイも何か嫌な目にあったのかな?

「もし私が、あの子たちがまだ見た事の無いボストンを見せてあげると言ったらどう?」

な、なんだってー!?

62: ◆fF7gRF2OO/G7 2015/12/17(木)23:57:48 ID:SLI(主)
今日はここまでです。

See you soon, have a nice dream!

64: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)00:07:57 ID:TXv
今って本編の時系列でいったらいつ?

65: ◆fF7gRF2OO/G7 2015/12/18(金)00:08:29 ID:7oS(主)
>>64
アレックスに出会う前

67: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)00:09:27 ID:TXv
>>65
ありがとう

そろそろアレにも登場してほしいなw

129: iloveyouguys 2015/12/18(金)23:03:41 ID:7oS(主)
それでは今日も続きを書いていきます

130: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:04:07 ID:4Bt
>>129
待ってた

131: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:08:03 ID:VPV
よろしく頼む!

133: iloveyouguys 2015/12/18(金)23:09:37 ID:7oS(主)
しまった
酉の#が抜けてる

135: ◆2HECBSbFBcNT 2015/12/18(金)23:13:38 ID:7oS(主)
今までの酉は忘れてください
これであたらしい酉できるかな?

136: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:14:19 ID:44P
わろたw

140: ◆2HECBSbFBcNT 2015/12/18(金)23:19:51 ID:7oS(主)
>>61の続き

7月4日。
今日は真由子さんがリア様たちとの懇親会を計画した日だ。
この日はアメリカの独立記念日で学校が休みになるらしい。

前回の反省もふまえて集合場所は現地とし、僕たちは電車で
リア様ご一行はタクシーで移動する事にしていた。

141: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:26:05 ID:7oS(主)
電車の中には僕とケイと真由子さんの3人しかいない。
ニコラはケイが一応誘ってみたが、他の人たちもくるならと、すげなく断られてしまった。

「あー……ニコラこないならやっぱり帰ってもいいですか?」
「ちょっと、そんなこと言わないでよケイ!あなたを連れて行かなかったら私がみんなに責められるじゃない!」
「そうだぞ人気者。ちょっとは紳士らしい所を見せてくれよ」

有名税ならぬイケメン税だと思ってくれや。

142: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:30:14 ID:7oS(主)
駅を降りるとすでにすごいひとごみだった。

「え、なんですかこれ!?こんなに規模の大きいお祭りなんですか?」
「そうよ!ボストンポップスっていう人気のある楽団が無料コンサートを毎年開いてるの!
 有名人がゲストに来たりするそうだから、音楽ファンが50万人集まるそうよ」
「50万人!?」

だめだ、規模がでかすぎて想像できない。地元の人口の10倍以上ってどういうこと!?

143: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:33:21 ID:7oS(主)
「さて、はやくリ中院さんたちと合流しなくちゃね……
 誰か携帯かけてくれる?」
「ケイ、早くかけてよ」
「は?何で俺が?っていうかあいつの番号なんて知らないよ?」

あれ?ひょっとして僕たち合流できない!?

144: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:44:56 ID:7oS(主)
駅周辺なんて曖昧な集合場所にすべきじゃなかった。
人が多すぎる上、流れにのってそのまま会場入りしててもおかしくない。
とりあえず手分けして探し、見つけたら連絡するという手はずで僕たちはちりぢりになった。

しかしどう考えてもこの人ごみで誰かが見つかるわけも無い。
7月にしては寒い風が吹いてるし、やつらはとっくにどこかに非難済みかも。

どこか人目につきそうな座れそうな場所がないかを探すと、ちょうど銅像の前で
写真を撮っていた人たちがいなくなるところだった。

像の台座に座って一息つく。
ボストンにはこういう歴史的な像があって観光するにはおもしろい。
しかしもう少しベンチを増やしてくれてもいいと思うんだが。

突然誰かが後ろからツンツンと僕の肩を叩いた。
ひょっとしてリア様の方が僕を見つけてくれたのかな?

145: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:48:29 ID:7oS(主)
振り向くとそこには誰もいなかった。

え?リアルな錯覚?ひょっとして霊現象?
台座の裏にも誰も隠れていない。これはひょっとしてひょっとするかも?

僕がキョロキョロしてると周りの人たちがこちらを見てなにやら囁きあっている。

あの人たちには何かが見えているのだろうか!?

146: 名無しさん@おーぷん 2015/12/18(金)23:55:58 ID:7oS(主)
見えないのなら耳をすましてみる。

するとすぐ後ろでかすかな物音がした!
バッと振り向くと銅像がぴたっと動きを止める所だった。

ああ、これ大道芸か!
僕が気付いた途端周りの人から笑いが溢れた。
つられて僕も笑い出す。
銅像が差し出す手に握手で応えると周りからフラッシュがたかれて、
一時的に人気者の気持ちが味わえた。

147: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:02:25 ID:fHt(主)
「加納くん、こんなところでなにをやってるんですか?」

リア様が探すまでもなく現れてくれた。

「リアさんたちを探してたんだよ」
「その割にはずいぶんと楽しそうでしたね」
「こうしてればきっとそちらから見つけてくれると思ってね!」
「まあ、じゃあ私はあなたの作戦にまんまとハマってしまったんですね」

まあもちろん作戦なんて無かったんだけど。リア様が笑ってくれてるならそれでオッケー。

148: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:08:07 ID:fHt(主)
「それで他のこたちはどこにいるの?」
「それが皆さん迷子になってしまって……」

迷子はひょっとしてリア様の方では?と思ったけど我慢して飲み込む。デリカシー。

「携帯でみんなに連絡とればいいんじゃない?」
「それが携帯のバッテリーが切れてしまいまして……」
「え!?じゃあ僕の使っていいから、みんなに場所教えてあげなよ。
 きっと大慌てで探してるって」
「それが……誰も番号のわかる人がいなくって……」

ああ、これで役立たずが4人になってしまった。

150: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:08:47 ID:fHt(主)
消し損ねたか。サンクス

151: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:20:32 ID:fHt(主)
ケイから連絡があったので、みんなで1度近くのカフェに集まることになった。
どうやらリア様の取り巻きたちは会場の奥の方まで探しに行ってしまい
簡単には集まれそうにない。

「ご迷惑をかけて申し訳ありません」
「気にする事無いよ。これだけ人がいたら仕方ないって」
「ありがとうございます……あら、雨?」

うわー。泣きっ面に蜂とはこの事だな。
しかしリア様は運がよろしいようで。

「折り畳み傘とレインコート、どっちがいい?」
「なぜそんなに準備がいいんですか?」
「以前ケイが紳士的にハンカチを取り出すのをみて以来
 こういう自体に備えてるんだよね」
「高岡先輩のためですね?」
「……ほら、どっち?」

あぁクソ。女の子に自分の好きな人を知られてるのってこっ恥ずかしいなぁ。

152: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:34:40 ID:fHt(主)
幸いリア様と僕は濡れるのを免れたが、他のこたちはそうもいかなかった。

「これは風邪引かないうちに帰ったほうがよさそうだね」
「しかし高岡先輩がせっかく計画してくださったのに……」
「……いいのよリアさん。その気持ちだけでうれしいわ」

あ、今リアさんて!真由子さんにもリア様のよさが伝わったのかな。

「でも……あ、そうですわ!皆様少しお待ちになって。加納くん、携帯を貸していただけます?」

僕が携帯を貸すとリア様は1枚の名刺を取り出し電話をかけ出した。

「パーシュホテルですか?中院雅哉につないでいただけるかしら?娘からだと……ええ、お願いします」

153: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:39:29 ID:fHt(主)
電話が終わって10分後、ホテルのバスが僕たちの迎えにきてくれた。

「申し訳ありません中院様。道が混んでいておくれてしまいました」
「さあ、皆さんおのりください。暖かいお風呂とご飯を用意させました!」

おおお!これぞ本物のお金持ち!やる事のスケールが違うね!

154: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)00:41:50 ID:fHt(主)
眠くなってきたので今日はここまで。

皆さん風邪などお召しにならないようお気をつけ下さいませ。

See you soon, have a nice dream.

159: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)13:28:58 ID:fHt(主)
僕たちがバスで移動したのはごくごく短い距離だった。
これだけのためにバスをよこすなんてすごいなぁ、なんて思ってるのはひょっとして僕だけ?
こんなにすごいのに誰もバスの感想をもらさない。
ホテルの見事さに息をのんでるのも僕だけだし、おまえらにとってはこれが日常ってことなの!?

160: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)13:30:51 ID:fHt(主)
あ、僕と同じように豪華なホテルに呆然としている人発見!
真由子さんがこちらの視線に気付いて『どうなってるんだろうね』と目で語る。
苦笑いを交わしていると、ダンディーな日本人のおじさまが現れた。

「娘の級友に挨拶をしたい所だが、まずはシャワーと着替えだな」

161: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)13:35:03 ID:fHt(主)
すると男子全員があっという間にエレベーターに閉じ込められ、
ジムのシャワー室に連行された。
一人ずつバスローブを渡されるが僕は濡れていないので丁重にお断りする。

シャワーを浴び少し大きめのバスローブを来た男どもは、
鏡の前でかっこよく映る角度を探し出した。
ひょっとして、君たちでもバスローブを着るのは初めてなのかな?
庶民はちょっと安心したよ。

たとえ着るのがバスローブでもケイは着こなしの調整に余念が無い。
ワックスが無いので髪は手櫛で後ろに流し、
ネックレスをつけたりはずしたりしている。

162: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)13:48:58 ID:fHt(主)
身支度が終わった僕たちは、やたらと豪華な装飾の部屋に案内された。

「私の部屋だ。好きな所にかけてくれたまえ」

たまえと言われても、気後れしてとても座れそうにない。
しかしみんなはバスローブ姿で優雅にソファーに身を沈めて行く。
紳士だなぁ。特にケイは一番様になっている。
僕にはとてもそんな態度は取れないので、シンプルな椅子に浅く腰掛けるだけに留めておいた。

163: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)13:56:01 ID:fHt(主)
「お嬢様方はもう少し時間を要するようだから、紳士諸君に先に挨拶をしておこう。
 私は中院雅哉(なかのいんまさや)。リアの父親だ。娘が世話になっているね」

そう言って僕たちの顔をさっと見つめるリアパパ。
あ、あの目はリア様が僕たちを品評する時の目つきにそっくりだ。さすが親子。

164: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:05:41 ID:fHt(主)
品評が終わるとリアパパはケイの隣りに腰掛けた。

「ひょっとして君は桜井グループの?」
「桜井慶です。お初にお目にかかります、中院会長」

うへえ、これが金持ち同士の挨拶か。どうか僕までまわってきませんように!

「会長はよしてくれ。もっとフランクにいこうじゃないか」

あ、じゃあリアパパでもいいですか?

165: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:16:51 ID:fHt(主)
「しかしなんとお呼びすればいいか……」

超絶紳士のあまりの気安さにスーパー紳士が戸惑っている。

「おじさんで結構だよ。なんならお兄さんでもかまわないがね」

おお、けっこう茶目っ気のある人だな。一気に高感度アップだよ。
うちの親父じゃこうはいかない。

「それではこちらが気後れしてしまいます。中院さんとお呼びしても?」
「結構だ。好きに呼んでくれたまえ」

あ~リアパパって呼んでみたい。

166: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:30:52 ID:fHt(主)
リアパパは男子一人一人に挨拶をしていく。
あれ?ひょっとして僕は最後かな。

「そしてこちらが娘を雨から守ってくれたジェントルマンだね?」
「……」
「(シュウ、おまえの事だよ!)」
「え?あ、はい!」

ジェントルマンだなんて言うから誰の事かと思ってしまった。
ここに来てケイから盗んできた紳士の技がやっと開花したらしい。

ザコ紳士くらいにはなれたかな。

167: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:40:06 ID:fHt(主)
「加納秀介です。よろしくお願いします」
「ああ、君が加納くんか。娘から話は聞いてるよ。
 日本人留学生の中で一番頭がいいんだってね」

え、僕ってそういうカテゴリーなの?改めて言われるとなんか照れるなぁ。

「む、娘さんもとても勉強熱心ですよね。トーフルにも合格してましたし……」
「そうだね。きっと君たちと切磋琢磨したからこそだろう」

……あれ?あまりうれしそうじゃない?一応リア様を褒めたつもりなんですが。
この程度のよいしょは普段から聞き慣れてるってことなのかな?

169: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:49:32 ID:fHt(主)
「君はずいぶん姿勢がいいね。スーツのシルエットがキレイに出てるよ」

お褒めに預かり恐縮です。しかしそれは姿勢がいいのではなく、
緊張してリラックスできないだけなのであります!

「今日はディナーを用意させたから、遠慮せずに食べていってくれたまえ。
 ここのシェフの腕前はボストン1だよ」

170: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:56:19 ID:fHt(主)
女性陣を待つしばしの間、僕たちはリアパパとたわいもない会話をした。
もっと聞いていたくなるような渋い声や、先を知りたくなる話の持っていき方は
さすが会社のトップ。いつのまにかこのひとの元で働けたらなと思っている自分がいた。

しかしそんなリアパパも、娘の成績に話がおよびそうになると
うまくかわしてすぐに別の話を振ってくる。

……ひょっとして、この人はリア様に良い点を取って欲しくなかったのかな。
そもそもリア様はこの人が勧めるであろう縁談を断るため、
アメリカまで来て自立しようとしてるんだっけ。

それをここまで追ってきたって事は……どういうことなんだろう?
リア様ちゃんと大学に行けるよね?

171: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)14:58:00 ID:fHt(主)
続きはまた夜に

See you soon!

172: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)15:27:03 ID:6R6
>>126
アク禁もされずに完走おめでとう!
感動した!
また次回も楽しみにしています♪

176: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)18:46:09 ID:fHt(主)
マツコと1時間、ついに女性陣の準備が終わったようだ。
真由子さんのバスローブ姿……楽しみだなぁ。
などと考えていた僕の期待は裏切られた。といってもいい意味で。
女の子たちがドレスアップして現れたのだ!

177: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)18:51:48 ID:fHt(主)
「おお!素敵なレディたちのお出ましだ」

ドレスで着飾ったレディたちをリアパパが腕を拡げて出迎える。

「こんな素敵なドレスをありがとうございます、おじさま」

そういってきれいな女の子がリアパパとハグをした。あれ?あんな子さっきまでいたっけ?

「高橋の娘さんだね。こんなに大きくなって……。」

え!?あれ高橋さん?『こんなに大きくなって』とは目の話ですか?
いつもの5割増で大きいんですが。



179: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)19:00:01 ID:fHt(主)
リア様は大人の魅力が際立つドレスを着ていて目のやり場に困る。
その姿を見たリアパパは一瞬困ったパグのように顔をくしゃっと歪めた。
それを見てリア様が笑ってるという事はきっと計算づくであの格好をしてきたんだろう。

「さあ、紳士諸君!この花たちをより美しく見せるのが君たちの役割だ。
 衣装は用意してあるから好きな物を着てきなさい」

あれ?真由子さんをまだ見てないぞ?

180: 名無しさん@おーぷん 2015/12/19(土)19:04:08 ID:fHt(主)
部屋を出ようとしたら入り口の近くに真由子さんを見つけた。
華やかなピンクのドレスがとてもよく似合っている。

キレイなんだからもっと自信たっぷり部屋の真ん中に出て行けばいいのに。
そんなことを思いながら横を通り過ぎると、ドレスの背面が腰まで大きく開いていた。

セクシー!

198: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:00:14 ID:uTv(主)
ホテルのスタッフに案内されて入った部屋には様々なパーティードレスやタキシードか
ズラッと並べてあった。なるほどこの中からレンタルする感じなんだね。

「ケイ、僕どんなの選べばいいかわからないから教えてくれよ」
「えー、めんどくさいなぁ。基本ここにある物はサイズさえあえばどれでも大丈夫だろ」

そういうとケイは自分の服探しに専念してしまった。
僕はいったいどうすればいいのだろう?

「あら、何かお困りかしら?」
「ええ、何を選んだらいいのかわからなくて……」

振り返るとそこにガタイのいいオネエさんがいた。

199: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:01:12 ID:vfy
>>198 それオネエs……

200: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:04:41 ID:uTv(主)
「サイズはこのスーツと同じもので」
「あら。流行の型ではないけどシルエットがいいわね。
 探してるのはモード?クラシック?」

スーツ好きはみんなシルエットが大好きなんだね。
ところでモードとかクラシックってなんのこと?

「ケイ~!モードってなんのこと~?」
「クラシックにしておけ~!」

クラシック?でお願いします。

201: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:09:24 ID:uTv(主)
「さあ、あなたはどんなふうになりたいのかしら?」
「たしかおじさんは花をキレイに見せるのが僕の役割だって」
「あら、おじさんって雅哉様の事?渋いわよねあの方♡」
「え、ええ……」

この人に任せておいて大丈夫だろうか。
シースルーとか裸ジャケットとかやらされそうで怖い。

202: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:15:16 ID:uTv(主)
「それであなたは誰の額縁になりたいの?」
「額縁?」
「そう。女の子が花であり絵画なら、男は花瓶であり額縁。
 あなたたち次第で花は咲き誇りもし枯れもする……」

そういいながら僕の体をまさぐってるのは体のサイズを測ってるだけですよね?
そうだといってよオネエさん!

203: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:20:40 ID:uTv(主)
「あなたが飾るのは華麗な赤いバラ?」

きっとこれはリア様の事だな。

「僕なんかじゃあの人の相手はとても……」
「それじゃあピンクのカーネーションかしら?」

あ、これは真由子さんっぽい。

「どうしたらカーネーションをきれいに見せることができますか?」
「オッケー。あの子のドレスも私の見立てよ。
 あなたを最高の額縁にしてあげる♪」

204: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:27:50 ID:uTv(主)
いくつも試着しサイズをつめ、ようやく最高の額縁が手に入った。

「素敵だわぁ。それであの子といっしょに踊ってご覧なさい?
 一躍パーティーのスターよ」
「いや僕、踊りとか無理ですよ」
「じゃああの子の隣りを常にキープしておきなさい。
 それだけで雅哉様からお声がかかるはずよ」

別にお声はかけられたくないけど、アドバイス通りとなりに立とうと思います!

205: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:36:43 ID:uTv(主)
そろそろ眠くなってきたので今日はここまで
See you soon, have a nice dream.

206: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)01:37:47 ID:bZ0


210: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)16:54:50 ID:M9c
ルート分岐有りならリア様ルートオナシャス!

212: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)19:01:39 ID:uTv(主)
髪のセットが終わると女性陣の待つパーティー会場へと案内された。
どうやらここで立食パーティーをするらしい。
様々な料理が銀色に輝く容器に整然と収まっている。


女の子たちは飲み物を片手に談笑しながら、しっかりこっちをチェックしている。
『私にふさわしい王子様は誰?』とでも言いたげな雰囲気だ。
男子5人に対して女子は11人もいるので、まずあぶれる男はいないだろう。

……僕以外は。

213: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)19:13:31 ID:uTv(主)
案の定男どもは散りぢりにお目当ての女子の所へ向かっていく。
ただしケイだけは興味が無いようで、さっそく料理をつまみだした。
もっともやつにはほっといても女の子が集まっていくのだが。

僕の目当ての女の子は壁際に背中を向けて存在感を殺そうとしている。
きっと背中を見られるのが恥ずかしくて、あの場を離れられないのだろう。
僕は目についたカナッペの皿をふたつとり真由子さんの元へ向かった。

214: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)19:17:54 ID:uTv(主)
「どうですか?いっしょに」
「ありがとう。シュウスケ……」

『それ、似合ってますね』と言ってみようかと思ったけど、ただでさえ恥ずかし
がってるのに追い討ちをかけることになるかもしれないのでやめておいた。

というのは言い訳で、ホントはそんなセリフ恥ずかしくて本人を目の前にして言えるはずが無い。
どうしたら女の子を素直に褒められるんだろう。

ケイは興味の無い女の子の服装ですらちゃんと褒めてあげてるというのに……。

215: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)19:22:01 ID:uTv(主)
「ねえ、このドレス変だよね?」

なんと真由子さんの方から話を振ってくれた。
ここで『いえ、似合ってますよ』と言えばミッションコンプリートだ!

「へ、変じゃないです」

どもった!これじゃあ本心では変だと思っているように取られかねない!

216: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)19:27:51 ID:uTv(主)
「スタイリストさんも褒めてましたし……僕もいいと思います」
「ありがと」

よし、あのオネエさんを隠れ蓑にしたが、自分の気持ちをなんとか伝えることができた。
真由子さんも少しだけ笑顔になった気がする。

「あ~あ、これが壁の花ってやつなのかな~?」

ん?壁の花ってなに?きれいな女性の事ですか?
あなたが花なら僕がキレイに咲かせたい、なんてね。言えないけどね。

219: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)20:42:27 ID:uTv(主)
「欲しいモノがあれば言ってください。僕が取ってきからますから」
「ありがとう、シュウスケ。じゃああそこのエビをお願いできる?」

僕は壁の花にたっぷりと栄養を与える事にした。



「加納くん、壁の花を愛でるのも一興だが、独り占めは良くないよ。
 2人ともこちらに来たまえ」

デザートも食べきって油断していた所にリアパパからのお誘いが入った。

「シュウスケ、お願い。背中かくして」
「え!?」

220: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)20:46:17 ID:moi
僕が取ってきからますから
→僕が取ってきますから
→or 僕が取ってきてあげますから

221: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)20:52:25 ID:uTv(主)
真由子さんが泣きそうな声で嘆願してくる。でも隠すってどうやって?
逡巡の隙に真由子さんはリアパパの方へと歩いていく。
ああ、あなたの後ろについて他の人から背中を見えないようにしろってことですね!

真由子さんの背中はとてもきれいな曲線を描き、うねりながら前へとすすむ。
緊張のためか肩甲骨の動きがどこかぎこちない。がんばれ真由子さん!

僕の役目は他の人にこの白磁のような肌を見せないのことだ。
しっかり後ろについてますからね!

「おいおい、加納くん。君は彼女の付き人かい?パートナーならしっかり並んで歩きたまえよ」

222: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)21:02:20 ID:uTv(主)
え?そんなこといわれても!この場所こそが僕のベストポジションなのに?
どうしましょう真由子さん?

あれ?真由子さん、なんで足を止めてるの?
それは僕に横に来いっていってるんですか?

「そうそう。それでこそ絵になるというものだ」

僕が横に並ぶとリアパパがうれしそうにうなずいた。
あなたのせいで真由子さんがゆでだこになってますよ!

「よし、あとは腕を組むんだ。組むと言っても加納くんは何もする必要ないぞ
 女性の方から腕をかけるんだ」

え?なにそれ!?

223: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)21:24:03 ID:uTv(主)
真由子さんが僕の腕に手を絡めてくる。
女の子と最後に手をつないだのって……あ、手をつないだ事なんて無いや。
全神経が腕に集中する。真由子さんの腕がかかる肘だけが燃えているようだ。

「桜色の優雅なドレスに、女性を際立たせる漆黒のタキシード。
 テーマは日本人にあわせて夜桜ってところかな。あいつも粋な真似をする」

あいつってオネエさんのことかな。
まあ、そんなことはどうでもいい。
はやくどうにかしないと2匹のゆでだこが煮崩れしそうです。

「もうすぐ独立記念日の花火が始まる。せっかくだからここから見ていってくれ
 なかなか素晴らしい花火だそうだよ」

リアパパはそういうと僕たちを解放してくれた。
僕たちは腕を組んだままそっと壁際に戻る。

「先輩……顔、真っ赤です」
「そういうシュウスケこそ」
「女の子と腕組んだのなんてはじめてで……」
「あ、ごめん!」

ああ、離さなくてもいいのに!

224: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)21:44:34 ID:uTv(主)
ホテルの窓から見る花火はきれいだったんだろうけど、少しも集中できなかった。
右腕に残る熱が「これが恋だ!」とビートを刻んでいる。

結局独立記念日のお祭りに参加することはできなかったが、それ以上に素晴らしい経験ができた1日だった。
花火のあとはホテルのバスがリア様をのぞくメンバーを全員学校に運んでくれた。

「今日は最高だったな……」

僕がもらすと隣りに座っているケイが愚痴をたれる。

「俺だってニコラがきてくれていたら……」

すまんな、ケイ。ひょっとしたらお先にカップル成立なんて事も……グフフ。
ん、よだれが……おっと、借り物の服で拭うわけにはいかないな。

「ケイ、この服いつ返せばいいの?」
「何言ってんだ?これ中院会長からのプレゼントだぜ?」

え、まじで?
ここにいるみんなのドレスとタキシードをプレゼント?
ゆでだこになってたからろくにお礼も言えてないのに!

「まあ、娘を雨から守ってやったんだから、堂々と受け取っておきなよ」

雨でこれなら銃弾から守ったら家でも立っちゃいそうだな。
いや、マジで。

225: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)22:00:52 ID:uTv(主)
7月からの新しい選択授業に、歌、ダンス、演劇の3つがある。
この中からひとつを選び8月の終わりに発表するんだそうだ。

ケイは勉強に集中したいからと、すでに習得済みのダンスの授業を受ける事にしていた。
その情報が女子集団に流れたのか、リア様をのぞく日本人女子は全員ダンスの授業を選択していた。

僕にはダンスの素養がないので、歌か演劇かということになる。

「合唱団にいたんだろ?だったら歌にしとけばいいじゃん」
「あれ?ケイは僕の大学での専攻知らないっけ?」
「そういえばおまえのだけは知らないわ。何にするの?」
「シアターメジャーだよ」
「シアター?……演劇か!」

226: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)22:12:33 ID:uTv(主)
よっぽど驚いたのかケイが目を丸くしている。
今日の授業は終わったとはいえまだ女子もいるんだからあまりイメージを崩すような
顔は見せない方がいいんじゃないの?

「それにしても意外だな。おまえが演劇やりにアメリカ来てたなんて」
「もともとは映画を作る事に憧れてたんだけど、高校で演劇部に入って人前で演じたり
 舞台監督をしたりするうちに、どんどんのめり込んじゃってさ」
「ん?だったら日本でも別に良かったんじゃないの?劇団とかいろいろあるだろうに」

まあそのとおりなんだけど。アメリカに来た理由を言ったらケイは笑うかな……

「……聞いても笑わない?」
「は、何を?」
「笑わないなら理由話してもいいよ」
「はいはい、笑わないからさっさと言えよ」

「実は僕……ハリウッドに憧れてるんだ」

227: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)22:22:47 ID:uTv(主)
ああ、言ってしまった。まだ家族以外誰にも言った事が無かったのに。
恥ずかしくてまともにケイの顔が見られない。

「ハリウッドか、かっこいいじゃん。見直したよ」
「え、ホントに?」

そんな夢のまた夢のような話をしたら笑われる物だと思ってた。
実際姉ちゃんにはものすごく笑われたうえボロクソに言われたし。

「正直、俺はシュウの事夢も無いのにアメリカに来て、生き急いでるんだと思ってた」
「生き急いでる?」
「だって、こう言っちゃ悪いけど、おまえの生活水準ならさ、普通に日本で大学行くじゃん?
 それをわざわざアメリカに来て苦労しようってんだから、生き急いでるなーって」

ああ、そんな風に見られてたのか。貧乏人がいきがってんじゃねえよ、と。
そりゃあリア様の取り巻き連中も変な目で僕を見るわけだ

228: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)22:39:26 ID:uTv(主)
「そうか、そんな夢があったのか。かっこいいな、おまえ」
「な、なんだよ急に。恥ずかしいだろ」

こんなかっこいいやつにかっこいいだなんて言われるとは!
ひょっとして僕、アメリカ来て男が上がってる?

「俺なんて夢を追いかけてきたのに、それすら捨ててるんだもんな。カッコわるいよ」

あ……

229: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)23:04:32 ID:uTv(主)
「け、ケイは愛のために生きるんだろ?十分かっこいいよ!」
「そう思うか?」
「好きな子追いかけて東大いくようなもんだろ?めっちゃドラマチックじゃん」
「そうか、そんな考え方もできるのか……。ありがとな、シュウ」

そうか、ケイはケイなりに自分の生き方を見つめていたんだな。
……ひょっとしたら高橋さんたちにも追ってる夢があるのかな?
それがわかればもう少しお互い歩み寄れるかもしれないのに。

230: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)23:20:41 ID:uTv(主)
今日はここまでです。

See you soon, have a nice dream.

231: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)23:22:55 ID:9CU
これが渡米理由だったのか
お疲れ様、おやすみ

232: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)23:23:01 ID:1ST
おつでした

233: 名無しさん@おーぷん 2015/12/20(日)23:24:13 ID:xAN
旧スレで夢があって渡米したとあったけど、そういう夢があったんだなぁ。

235: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:00:12 ID:pMW(主)
今日ものんびりやっていきます

236: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:10:15 ID:pMW(主)
初めての演劇の授業はなかなか面白い物だった。

教えてくれるのは語学研修所の所長でもあるパメラで、彼女は昔小さな劇場で
女優をやっていたとのこと。少しも面影が無いのはなぜでしょう?

「これから言ってく感情を声に出しながらその場で演じてみなさい!
 こんなふうに! ハッピー!」

するとパメラは小さな子供が好きな人からお菓子をもらったかのように喜びだした。

「さあ、あなたたちもやるのよ!ハッピー!……アングリー!……ハングリー!」

演劇部でもやってたやつだ!僕は羞恥心をかなぐり捨て全身で空腹感を演出した。

「おお!みんな、シュウの演技を見て!もう1ヶ月もなにも口にしてないかのようね、すばらしい!」

こういうのは下手に恥ずかしがった方が恥ずかしい結果になるんだ。
だからリア様、そんなかわいらしく「お腹が減りましたわ」なんてやってても誰にも伝わりませんぜ!

237: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:16:15 ID:pMW(主)
「どうしましょう。私この授業でやっていく自信がなくなりました」
「初めは誰だってそんな感じだよ」
「あなたは違うじゃないですか!」
「僕は演劇の大会で主演男優賞までとった男だからね。これくらいは余裕かな」

あくまで地区の小さな大会だけどそれは内緒。

238: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:26:48 ID:pMW(主)
「恥ずかしがってたら何もできないよ。もっとリアさん自身をを表に出さなきゃ」
「はぁ、なんだかそれって英語と似てますね。英語の授業も恥ずかしがってるとすぐに置いていかれてしまいます」

そのとき僕の頭の中の歯車が噛み合った!

「それだ!」
「どうしたんですか急に!?」

演劇で恥ずかしがってたら何もできないように、英語も恥ずかしがってたら上達しない。
じゃあ英語をを喋る事を勉強ととらえず、舞台のセリフだと思えば……

「リアさんのおかげで壁を突破できるかも!
「話は見えませんが、おめでとうございます」

ああ、早く実践してみたい!

239: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:30:27 ID:ktz
数学キッカケで英語の歯車が合ったのかと思ってたわ

240: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:32:23 ID:pMW(主)
>>239
よく気付きましたね
それは第2のブレイクスルーです
大学で数学の授業を受けるようになって初めてわかりました
SATでは実感が追いつかなかったんです

242: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:37:25 ID:pMW(主)
ああ、どこかにアメリカ人いないかなー。
基本的にここには留学生とそれを支えるアメリカ人スタッフしかいない。

そうだ!カフェテリアのジェフがいるじゃないか!
今なら忙しい時間でもないし、ちょっと彼と話してみよう。
僕は舞台俳優、僕は舞台俳優……

「やあジェフ、最近どうだい?」
「特に変わった事はないね。なにを作りましょう?」
「今日はじつにハッピーな気分なんだ。そんな僕にオススメは無い?」
「うーん、それじゃあ3種のチーズを使ったオムレツはどう?」
「どうしてチーズオムレツがハッピーなんだい?」
「だってチーズって言う時はみんな笑顔になるだろう?」
「なるほど、それじゃあそいつを頼もうかな」
「……今日の君はホントによく喋るね。どんなハッピーなことがあったんだい?」

やった!通じる!僕にも英語が喋れるぞ!!

243: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)20:54:38 ID:pMW(主)
それ以来、僕は毎日自分が俳優になったつもりで英語を喋るようにした。
すると今まであった『間違ってたら恥ずかしい』とか『通じなかったら悲しい』という
ネガティブな考え方が全てなくなり、『間違ってても無理矢理わからせる』とか
『通じなくっても諦めない』英語ができるようになった!

「シュウ、なんか英語話してる時は明るいよな」

とはケイの言葉。日本語で話す時はこれまで通りだからそのギャップがおかしいらしい。

「ニコラと一緒にいるときに明るい雰囲気にしてあげるんだから問題ないだろ?」
「おいおい、それでニコラがおまえの事好きになったらどうしてくれるんだ!」
「さすがにそんな事は無いだろ」
「英語を話すおまえは自信にあふれてるからなぁ……。なぁ、どうしたらそこまでかわれるの?」

僕はケイにも演劇理論を説明してみたがどうもピンとこないようだ。
まあ当然か。頭の中に組み立ててきた歯車の種類も数も違うんだから、その動かし方も人それぞれだ。

「ケイも何か得意分野に結びつけて考えてみれば?」
「俺の得意分野か……そんなのあったっけ?」

ケイの歯車が動き出すことを願ってるよ。

244: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)21:12:35 ID:pMW(主)
英語が話せるのがたのしくて、とにかく喋りたくてしょうがない。
だから授業が終わったら教授につきまとい、ランチにいけばジェフと仲良くなった。

「これまでのシュウは赤ん坊だったんだね」

とホワイト教授が僕に言う。

「赤ん坊はひたすら言葉を頭にインプットし、ある日突然アウトプットしだす。
 そうやって正しい言葉を覚えていく」
「僕は今赤ん坊を卒業できましたか?」
「こんなにすごい赤ん坊がいるわけないだろ?」

これは褒め言葉だよね、よし!

「シュウは今幼稚園レベルだよ」

……なんですと?

245: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)21:20:17 ID:pMW(主)
「どうして幼稚園児なのでしょうか?」
「君は時々意図的にわからない単語を別の言葉に言い換えて喋っているだろ?」
「そうですね」
「自分の知識にある物で世界を表現する、それはまだ幼稚園児だ」
「じゃあどうすれば幼稚園を卒業できるんです?」
「語彙だ。世界を表現する言葉はこの辞書の中に何万と収録されている。
 それをどんどん吸収していくんだ」

頭の使い方を変えれたところで、単語を覚えるのはやはり難しい。
こればっかりは今後も努力していかないとなぁ。

「それともうひとつ園児レベルなのが……」
「まだあるんですか?」
「もちろん。それはおまえの筋肉だよ」
「……マッスル?」

246: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)21:28:55 ID:pMW(主)
「これは本来会話の授業でやるべき事なんだが、おまえには英語を発音する筋肉がついてない」
「英語を発音する筋肉?」
「日本人に特に足りないのがLとRを区別するための筋肉だ。
 たしか日本語には「ら」の音はひとつしか無いんだったな?」
「はい」
「だから区別するための筋肉が発達しない」

なるほど、日本人特有の問題は筋トレ不足が原因だったのか!

「でもどうやってそんな筋肉鍛えればいいんですか?」
「おまえは今演劇の授業を取っていたな?」
「はい」
「じゃあひたすら喋り続けろ!パメラの英語をそのまま真似しろ。
 それが一番のトレーニングだ」

247: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)21:33:53 ID:pMW(主)
アニメタイム行ってきます
続きは11時頃にノシ

248: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)21:52:50 ID:P0W
いてらー

249: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:07:37 ID:pMW(主)
カフェテリアで一緒になった真由子さんにホワイト教授に言われた事を話してみた。

『ハハハ、私も昔おんなじこと言われたよ」

なんとお揃いでしたか!

「それで私もいろいろ調べたんだけどね、たしかに日本人とアメリカ人の
 顔の筋肉の使い方は全然違うみたい。シュウは俳優のケインって知ってる?」
「ファイトあふれる人ですよね、もちろん知ってます」

子供のころ彼がやってた忍者のモノマネを何度やった事か。

250: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:14:38 ID:pMW(主)
「あの人の喋り方って独特だと思わない?」
「コンナカンジ、ですよね?」
「似てる!」

よっぽど似てたのかそのまま笑ってむせている。
よし、このネタの完成度を上げるためにちゃんと特訓しておこっと。

「今の喋り方で何か英語を喋ってみて」
「えっと……何を言えばいいんですか?」
「急にはでてこないんだけど……、あの人は母国語が英語だから英語を話す筋肉がしっかりついてるのね。
だから日本語を喋るときに独特な喋り方になっちゃうんだと思うんだ。
そこで逆に、彼の筋肉の癖をそのまま英語に活かせば、よりネイティブっぽくなると思わない?」

なるほど、たしかにそんな感じがする。あの喋り方を真似する……かどうかはともかく、
英語と筋肉が結びついてる事はよくわかった。

251: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:22:08 ID:pMW(主)
僕がマッスルマッスルとつぶやいていたらジェフが変なことを言い出した。

「すまない、今日はマッスル仕入れてないんだ。」

ここでは筋肉を仕入れてくれるんですか!?
それならぜひとも僕の胸の辺りに増量をお願いしたい。
アメリカの男性はどうも胸板が厚い人が多いんだ。

「明日にはちゃんと仕入れておくから、またきてくれよな」

明日僕はどんなマッスルを見ることになるのだろうか?

252: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:29:08 ID:pMW(主)
真由子さんと楽しくランチをとっていたら、見知らぬきれいな外国人女性が話しかけてきた。

「真由子~!久しぶり!」
「ミラ!久しぶりね!元気だった?」

う~ん、やっぱり真由子さんの発音は素晴らしいな。
教授に言われた事を真摯に受け止めちゃんと筋トレをしたのだろう。
僕もしっかりしなければ!

「元気すぎて、あなたに会いにきちゃった!」
「そんなこと言って、どうせ他に目的があるんでしょ?」
「もちろん。私の事はよく知ってるでしょ?」

そういうとミラと呼ばれた女性はなぜか僕に視線を向けた。
僕はあなたの事は何も知りませんよ?

253: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:33:15 ID:pMW(主)
「この男の子は真由子の友達?紹介してよ」
「はぁ、オッケー。ミラ、こちらはシュウ。9月からアーグルトンに来るのよ」
「えー!?じゃあ真由子が世話してるのってこの子?思ってたよりかわいいじゃん!」

真由子さん僕のこと話題にしてくれてたのは嬉しいけど……かわいいって?
いったいどんな話をしてたんだ?

254: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:42:52 ID:pMW(主)
「シュウ、こちらはミラ。私の友達でアーグルトン生。
 シュウの先輩ってことだね」

おお、僕の先輩でしたか。真由子さんの友達ってことはいい人に違いない。

「よろしく、ミラ。英語がずいぶん上手なんだね」
「ハハハ、当然じゃない!私アメリカ人だもの」
「僕の知ってるアメリカ人よりずいぶんきれいだから気付きませんでした」
「あら、この子いうわねぇ」

あ、真由子さんが変な顔で僕を見てる。
違うんです真由子さん、今の僕は役者モードに入ってるだけなんです!

255: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:54:26 ID:pMW(主)
「ところでミラ、『かわいい』ってのはアメリカでは褒め言葉なのかな?」
「もちろんよ。私かわいいものが大好きなの」

そう言うとミラの手が僕の方に伸びてきて——

「ハイ、ストップ!残りは私の部屋で聞くから!いくわよミラ!」

真由子さんがミラの手を払い落とした。

「ちょっと真由子~」
「ほら、早くいこ?ね!」

あれ、真由子さんなんか怒ってます?
ひょっとしてやきもち妬いてくれてるの!?

256: 名無しさん@おーぷん 2015/12/21(月)23:58:14 ID:pMW(主)
「え~、私まだお昼食べてないのに!」
「私がラーメン作ってあげるから我慢して!じゃあねシュウ。
 午後からも勉強頑張ってねー!」
「はぁ。また会いましょうね、ボーイ」

そう言い残しハリケーンは去っていった。

257: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:06:10 ID:ovz(主)
部屋に帰ると洗濯物がたまっていたのでランドリーにいく事にした。
洗濯機も乾燥機もやたらクォーターを消費するので、できるだけ使用回数を最小限に留めたい。
しかし欲張って洗濯物を溜め込みすぎると、洗えない、乾かない、臭くなるの三重苦が待っている。
だから洗濯かごの7分目までたまったらちゃんと洗濯する事にしていた。

地下に降りると誰かがソファーに寝そべっていた。
ソファーのへりから生脚だけが見えている。
ひょっとして裸!?

258: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:10:04 ID:ovz(主)
よく見るとホットパンツを履いたミラだった。
あれ?先輩なのにこの人には敬称を付けなくても平気だな。
やっぱり英語だと呼び捨てが普通に感じてくるものなんだ。

それにしても……警戒感のないやつ。
生脚、へそだし、熟睡って、思春期男子にゃ目の毒です。

259: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:11:15 ID:LeV
アメリカ人女性だからハリケーンか

260: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:11:29 ID:ovz(主)
>>259
よく気付いてくれたw

263: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:17:28 ID:ovz(主)
生脚の誘惑に耐え洗濯をしてると、突然後ろから抱きつかれた。

「私ってそんなに魅力無いかな、少年?」
「……なんで寝たフリなんか?」
「その方が私の事観察しやすいでしょ?」

この女何を言ってるんだ……
ひょっとしてこれは世間で言う所の……ビ?

264: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:23:41 ID:ovz(主)
やばい、こんな所を真由子さんに見つかりでもしたらどう思われるか!

「や、やめてくれ!それ以上やったら……」
「どうなるの?」
「……真由子さんを呼ぶぞ」

お、どうやらこのセリフは効果的らしい。
苦々しい顔をしてミラは僕を解放した。

265: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:26:07 ID:ovz(主)
それでは今日はこの辺で

See you soon, have a nice dreamノシ

266: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)00:50:42 ID:r86
お疲れさまです、○ッチ登場ですね。
質問があります、顔の筋肉の話が出てきましたが、
一般的なアメリカ人男性にとって身体を鍛えて筋肉を付けるというのはどれくらい重要な事なんでしょうか?
ダンキンドーナツ並ですか?
後の話に出てくるのでしたら楽しみに待ってます。

268: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)18:35:16 ID:ovz(主)
それでは今日も始めていきます

>>266
この情報社会において価値観の多様化はどんどん広がりを見せていますが
筋肉信仰は未だ根強くあるようです。
筋肉は無いより有った方がいい、まさにダンキンドーナツといっしょですね

269: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)18:41:36 ID:ovz(主)
「ねえ少年(ボーイ)、真由子にとってあなたはどういう存在なの?」
「その少年っていうのやめてくれない?僕はシュウ。
 靴のシュウといっしょ、って今履いてるのはサンダルだけど……」

ちゃんと靴を履いておくべきだった。
洗濯するだけだと思って油断した。

「シュウ……シュウ・ウエムラと同じシュウ?」

だれだそれ?まあ発音はあってるからそれでいいや。

「そう、そのシュウだよ」
「それで、シュウは真由子にとってどういう存在なの?まさか新しい彼氏?」

……ん?今『新しい』って言った?

270: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)18:46:26 ID:ovz(主)
「僕はそんなんじゃないけど……ねえ、彼氏ってどういうこと?
「あ、気になるんだ?あなた真由子の事が好きなのね」
「いるの?いないの?どっちだよ」
「うーん教えてもあげてもいいけど」
「ほんとに!?」
「ええ。あなたのベッドの上でならね」

うわっ、真性のビだコイツ!!

271: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)18:54:16 ID:ovz(主)
とっさに自分の部屋へ逃げようとしたら、ミラの長い脚にランドリーの出口を塞がれてしまった。

「女がここまでしてるのにどうして逃げるの!?」
「当たり前だろ!そっちこそどうして初対面の人間にそこまで積極的になれるんだ?」
「一目で恋に落ちた……って言ったら信じる?」
「信じないよ!どうみたってそれは獲物を狩る目だ!」
「気に入ったのは本当なのになぁ~」

ああ、絶体絶命。ミラの目がネコ科の大型動物のように光っている。
僕はこんな所でバージンを失ってしまうのか?

「こんなところで男を漁るな!」

真由子さんの空手チョップがミラの頭に入った!
助かりました、ナイスタイミングです。
危うく狩られてしまう所でした。

272: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:00:20 ID:ovz(主)
「くっそ痛いんだけど……なんで邪魔するの真由子ぉ?」
「いい加減にしないと泊めてあげないよ!」
「……ちょっとくらいいいじゃん。こうでもしなきゃお金持ちと
 知り合う機会なんてなかなか無いんだから!」

お金持ち?ひょっとしてこいつ僕がお金持ってると踏んでモーションかけてきたの?
残念、貧乏人でしたー!

「留学生が狙い目だからってシュウスケを口説くのはやめて!」
「あらぁ?ひょっとして真由子、その子の事好きなの?」

え?ここでそんなこと訊いちゃうの?
僕にはまだ心の準備が——

「違うわよ!好きなわけないでしょ!」

273: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:06:04 ID:ovz(主)
違うのかー。好きじゃないのかー。

まあ、うすうすわかっていたけどさ……。

実際にあなたの口から言われるとダメージ大きいですね……。

「シュウスケはもうすぐ大事なテストを控えてるの!
 その邪魔をするようならミラでも容赦しないからね!」
「そんなことより、……ちょっと少年……大丈夫?」
「……大丈夫。ノープロブレム」
「真由子、あんたがとどめさしてどうすんの」
「へ?」

276: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:21:50 ID:ovz(主)
ミラ、それ以上は何も言わないで。どうかこれ以上僕の傷を拡げないで!
なんとか話の流れを変えなくちゃ……

「そういえばミラ、僕は金持ちでもなんでもないよ」
「え、マジで!?留学生って真由子以外はみんなお金持ちなんじゃないの?」
「私以外はって何よ」
「だって真由子ずいぶん苦労してるでしょ?この子のメンター引き受けたのだって、
 学校の寮がしまってる間、住処が確保できるからだって言ってたじゃない」
「ちょっと、今そんなこと言わなくても!」

あれー?流れを変えたはずなのになー。なんでまたダメージうけてるんだろ僕。
最初から仕事だってことはわかってたんだけどなー。
真由子さんのあの優しさが全部お金のためだったかと思うと……

あれ?洗剤が目に入ったかな。アメリカ製はよく染みやがる。

277: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:32:37 ID:ovz(主)
「シュウスケ、違うの!……最初はたしかに住む場所のためにやってたけど、
 今は心からあなたの事を応援してるのよ?だから……次のトーフルも頑張ろう!ね?」
「アハハ、もちろんですヨ。次はちゃんと奨学金をもぎ取ってみせます」
「……じゃあまたね。ほらミラ、私の部屋にいくよ!」

そう言って真由子さんはミラの腕を引っ張っていく。
ミラはというと

「ごめんなさいねー。今度はアーグルトンであいましょう!グッバイ、シュウ」

と上階に引きずられていった。

278: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:38:47 ID:CCw
ちょっとアメリカの大学入ってくるわ

279: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:42:32 ID:ovz(主)
「今日のシュウは一段と弱いねー。真由子と何かあったの?」

ニコラが9番の玉を落としながら訊いてくる。

「ど、どうしてそのことを……」
「シュウがそんなに動揺するなんて真由子の事くらいかな~と」
「べ、別に僕たちはなんでもないし……」
「あれ、そうなの?私てっきり真由子とシュウは付き合ってるんだと思ってたけど」

そうか、ニコラにはそんなふうに見えていたのか。
できるのなら今日の記憶を、ニコラの見ていた光景で上書きしたい。

280: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)19:59:03 ID:ovz(主)
「……というわけで目の前で振られちゃったんだよ」

ナインボールをやりながら僕はニコラに今日あった事の全てを説明した。

「これで僕の恋は終わった……。まあおかげでトーフルに集中できるってもんだよ……」
「え、どこがダメかわからないんだけど?」
「どこって……全部?」

ニコラはいったい何を言ってるんだ?
もうどこにも希望なんて無いのに。

「話を聞く限り、シュウはまだ真由子に好きだって言ってないんでしょ?」
「いや、そのまえに好きじゃないって言われたんだから……」
「それはそのビにけしかけられてそう言っただけでしょ?
 シュウが好きだって言えば、真由子の気持ちも変わるかもしれないじゃない!」

えー、さすがにそれは無いだろう。
あの真由子さんの申し訳なさそうな顔を見たらニコラもこんな事は言えまい。

「それにしても、ニコラがそんなに僕の恋路を応援してくれるだなんて意外だな。
 やっぱりイタリア人はそう言う話が好きなの?」
「そんなんじゃないよ……。ただ、もしこれで2人の中が悪くなったら
 前みたいに出かける事できなくなっちゃうんだよね?」

あ、そうか。

281: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:05:24 ID:ovz(主)
このままお互い気まずくなったら、もうあの楽しい時間は戻ってこないのか。
せっかく僕なりのボストンデートコースを考えてたのにそれも無駄になってしまう。

「ねえ、シュウはもう晩ご飯食べた?」
「僕はお金内からいつも夜は食べてないよ」
「それじゃあ私が何か食べさせてあげようか?真由子の事とかいろいろ話したいし」

えー悪いよー。と普段の僕なら言うだろう。
しかし精神的に参っている僕にはニコラの暖かさが救いだった。

「ゴチになります」

284: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:20:37 ID:ovz(主)
ニコラは僕をつれてケイのいる寮にやってきた。

「あ、ケイも誘うのか。その方が楽しくて」
「ううん、ケイは誘わない」

あれ?それじゃあどうして……財布かなにかをとりに行くのかな?
それなら僕は玄関で待ってるよ。

「何してるの?早くおいでよ」

そう言ってニコラは僕を女子エリアの方へと手招きしてる。
あれ?ひょっとしてこれは……これは……

285: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:25:08 ID:ovz(主)
リア様の部屋に入った時はなんだか甘い匂いがしたっけ。
ニコラの部屋はどんなにおいがするんだろう。

「どうぞ、入って」
「おじゃましまー……す」

なんだかとてもいい匂いがする。これは……ニンニクの香り!

286: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:28:42 ID:ovz(主)
「パスタ茹でるけどシュウは苦手なもの無い?」
「生のフルーツ以外は大丈夫」

まさか晩ご飯を手作りしてくれるとは!
なんかこれって恋人っぽくない?
ケイにバレたらなんて言い訳しよう……。

287: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:34:10 ID:ovz(主)
「生のフルーツ苦手なんだ?」

タマネギを手際よく切りながらニコラが尋ねる。

「好きなんだけどアレルギーで食べられないものがいくつかあるんだ」
「アレルギー?……ひょっとしてアッレルジーアのことかな?」

あれ?アレルギーって英語じゃないの?

「たしか英語ではアレジーって言ったはず」
「まじかよ……またもや和製英語か」

289: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:54:19 ID:ovz(主)
ニコラがパスタを取り出したけどどうやって茹でるんだろう?
ここには大きな鍋は見当たらない。

「鍋はどこにあるの?」
「このポッドで茹でるんだよ」

そう言ってニコラが指差したのはコンセントのついたプラスチックの桶だった。

290: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)20:58:20 ID:ovz(主)
「そんなのでパスタが茹でれるの?」
「まあ見ててよ」

そう言ってニコラがポッドに水を組んでコンセントを入れて1分も立たないうちにお湯が沸いてしまった!

「ここにはんぶんに折ったパスタを入れればオッケー」
「すごい、アメリカにはこんなものがあるんだな」
「え?日本にはこれ無いの?」
「どうだろう、少なくとも僕は見たこと無いかな」

こんな便利なものあったら部屋でラーメンが茹でれそう。
あ、ひょっとして真由子さんがラーメン作るって言ってたの、ひょっとしてこれかな?

291: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:08:26 ID:ovz(主)
真由子さんのことを思い出したらまた気が滅入ってきた。

「もう、辛気くさい顔しないでよ~」
「ごめん」
「ほら、これでも食べて元気出して!」

でてきたパスタは赤くてニン行くの香りの効いたとてもおいしそうなものだった。

「これは何て言うパスタ?」
「冷蔵庫のあまりものパスタだよ」
「いただきまーす!」
「ボナペティ!」

292: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:10:14 ID:LeV
ニン行くゥ!
にんにくですか?

293: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:10:23 ID:ovz(主)
ニンニクですw

295: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:18:35 ID:ovz(主)
……うまい。ニンニクの香ばしい香りとオリーブオイルのフルーティーな香りが
パスタ全体を包み込んでいる。そしてやってくるトマトとベーコンの強烈な旨味!

「なにこれ!超デリシャス!!」

僕はマナーも忘れて一気にパスタを食べてしまった!

「気に入ってもらえてよかった。日本人もこういう味好きなのかな?」
「大好きだよ!すごいね、こんなにおいしいものがこんな設備で作れるなんて」
「でしょー!」

ニコラは褒められてとてもうれしそうにしている。
ケイよ、ニコラを落とすならこの辺に勝機がありそうだぞ。

297: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:26:39 ID:ovz(主)
「とにかくシュウは自分の思いを伝えなきゃダメだよ!」

せっかくのおいしいパスタなのに、そんなこと言われるとへこんで味がわからなくなるぞ。

「彼氏もいるみたいだし、どうせ無理だよ」
「そんなの訊いてみないとわからないでしょ?」
「じゃあニコラが訊いてくれるの?」
「任せてよ!ちゃんと訊いてきてあげるから!」

え、マジで?ニコラ様超素敵なんだけど!

「ところでいつ訊いてく——」
「ハロー真由子、いま大丈夫?」

いま訊くのかよ!?

299: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:30:51 ID:ovz(主)
「あなたって今ボーイフレンドいるの?」

ぎゃあ直球すぎね!?デッドボールまっしぐらだよ!!

「うん……うん……えっ!?」

え?えっ!?ってなに?なにを話してるんだ!?

「そう……わかったわ。突然変な質問してごめんね。
 お休み。良い夢を……」

どうだったんだ?早く教えてくれ!

301: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:34:46 ID:ovz(主)
「ごめんね、シュウ。真由子彼氏いるってよ」

デッドボール!試合終了!

「ああ、そのまま倒れたらパスタがこぼれる!!」
「はあ……貝になりたい。このパスタに入ってる貝でもいいや」
「何言ってるの?気をしっかり持って!」

302: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:37:23 ID:ovz(主)
「ごめん、もう帰るね」
「ちょっと待って!私の話も聴いてよ!」

ニコラの話?え、なんのこと?

「シュウに私の手料理を食べてもらったのにはちゃんと意味があるの!」

そ、それってつまり……

303: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:39:49 ID:ovz(主)
「私はケイの事が好きなの!」

……は?

「今なんて?」
「ケイの事、好きになっちゃったの……」

いや、その前にあんた思わせぶりな事何か言いませんでした?

304: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:44:34 ID:ovz(主)
「ケイの事好きなのに2人ではまだデートは緊張しちゃうというか、
 あ、まだ付き合ってはいないよ?ただね、前4人でデートした時のあの感じ?
 あれくらいがちょうどいいと思うの。
 だからシュウと真由子には仲良くしてもらいたかったんだけど……
 もう無理よね。どうしようかしら……」
「僕にこれを作ってくれたのは……」
「そんなの元気を出してもらうために決まってるでしょ!
 ……失敗に終わったけど。
 それと、日本人がそういう味が好きかどうか知りたかったんだ」

はいはい、僕は実験台ってことだったんですねー。

305: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:49:22 ID:ovz(主)
「ねえシュウ、私どうしたらいいと思う?」

そんなの僕に訊かないでくれよ。デリカシーって叫んでやろうか。

「とにかくもう一回4人でデートしようか」
「本当に!?でも真由子を誘える?」
「まあ、自分の気持ちにけりつけるためにも誘ってみるさ」

決行は7月のトーフルが終わった時!

306: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)21:50:43 ID:ovz(主)
今日はここまで。アニメタイム行ってきますノシ

See you soon, have a nice dream!

307: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)22:24:20 ID:DLr
乙カレー

308: 名無しさん@おーぷん 2015/12/22(火)22:24:54 ID:BfX
乙狩りー


http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/lovesaloon/1450323641/


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